【活動報告】アカデミーキャンプ 2024冬「都の西北でAI(アイ)を叫ぶ (準備編)」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

「何者かになること」を対話するワールド・カフェ
[「何者かになること」を対話するワールド・カフェ]

2月の2回目の3連休に、私たちは東京で物理キャンプを開催しました。物理的な集まりがすでにかなり回復しているため、「物理キャンプ」という名称はそろそろ少しそらぞらしく感じられるかもしれません。このキャンプは「都の西北」で開催され、東北、関東、東海地方から小学生、中学生、高校生・高専生の合わせて12名が参加しました。

「都の西北」は、ご存じの通り、早稲田大学の校歌の冒頭部分ですね。そうです、私たちは初めて早稲田大学のキャンパスでキャンプを開催しました。しかし、2月は入試シーズンだったため、キャンパスの中に実際に入ったのは最終日だけで、大半の時間を「早稲田の隣」で過ごしました (これは「天才バカボン」に登場する架空の大学、バカ田大学の校歌を参照しています)。

このキャンプのテーマはAIアシスタントの作成でした。子どもたちはAIチャットボットとの対話を通じて、日常生活を支援するための人工的なパートナーを作り出し、これにより、この春から日本のトップ私立大学である慶應義塾大学と早稲田大学の一部の授業で使用される新しい学習システムを試験しました。

最初にとりあえず、システムを試しに使ってみよう、とこどもたちが作った一連のAIアシスタントがすでに素晴らしく、中には何でも四文字熟語に変えたり、話している人に合わせた名言を生成したりできるものもありました。その後、キャンプの元々のテーマ「自分が何者か (somebody) になるための手助けをするAIアシスタントの作成」について、ワールドカフェ形式で対話をしました。アイデアがテーブルを超えて受粉され、ある高専生は驚いて言いました。「小学生から “メタ知識” の概念を学ぶなんて思わなかった!」

ワールドカフェ後の創造物には目を見張るものがありました。例えば、「宿題先生」アシスタントはむしろシンプルな例ですが、どんな課題を与えても、答えを教えるのではなく、解決のヒントをくれます。他には、苦しい状況の中で希望の光を提供するアシスタントや、好きなものから新しい趣味・娯楽を作り出す手助けをするアシスタント、あるいはどんなに悲惨な状況でも明るく前向きな反応を返すアシスタントなどが作られました。こどもたちは、ポスター&デモセッションでお互いに作り出したアシスタントの素晴らしさを共有しました。

最終日には、即興芝居×即興コメディの役者集団、ロクディムさんを迎え、久々に対面で、私たちがこれまで行ってきたことととてもよく合致する、即興劇に一緒に挑戦しました。まず第一に、AIアシスタントとのやり取りは即興的ですし、台本がなく先の見えない未来に自分で一歩を踏み出していくという点でも、こどもたちが置かれている状況と即興劇はよく似ているのです。大笑いしながらこの 3日間のキャンプもクロージングを迎え、私たちは再び会う約束をして (3月末にまたキャンプがありますから!) ひとまずそれぞの場所に帰りました。

アイスブレイク「人間知恵の輪」で始まった
[アイスブレイク「人間知恵の輪」で始まった]
創った AI アシスタントをポスターにして共有する
[創った AI アシスタントをポスターにして共有する]
AI アシスタントについてまとめる方が、それを創るよりも難しい?
[AI アシスタントについてまとめる方が、それを創るよりも難しい?]
即興芝居×即興コメディのロクディムさんらと即興でお芝居
[即興芝居×即興コメディのロクディムさんらと即興でお芝居]
みんなよくやった!大人もね
[みんなよくやった!大人もね]

【参加募集】アカデミーキャンプ 2024冬「都の西北でAI(アイ)を叫ぶ (準備編)」

2024年最初のキャンプで、都の西北に進路を取れ!

定員に達したため、お申し込みを締め切りました。

都の西北で愛(アイ)を叫んだ獣(ケモノ) ─ generated by SDXL v1.0
[都の西北で愛(アイ)を叫んだ獣(ケモノ) ─ generated by SDXL v1.0]

【開催趣旨】─ AIパートナーを創ろう!

OpenAI の大規模言語モデル GPT-4 が公開されて約1年。何だか何でもできちゃう気がしてきました。アカキャンの仲間たちは、これまで絵本を創ったり (これは GPT-3.5)、シリアス RPG を創ったり、どこから見ても本人の感想が書いてある読書感想文の自動生成に取り組んだりしてきました。今、アカキャンの Discord (メンバー限定) では GPT-4 のボットが動いていて、メンバーたちがゲームを遊んだり、英語のチューター (個人指導教師) を創って学んだりしています。

私たちはどこに向かっているのでしょう。都の西北… (に今回のキャンプは向かっていくのですが) の話は後にして、たぶん、道具づくり、パートナーづくりなのでは?これから長らく使っていけるような道具や、一緒に (目的に向かって何かするという意味で) 働けるようなパートナーを、私たちの手許(てもと)に今ある仕組み (Discord ボットとか) を使って創ってみよう!

その目的に向かって、今回のキャンプでは都の西北、早稲田の杜(もり)を目指します。え?目指すんじゃなくて、地下鉄やバスで行けるんだから着いちゃえばって?実は 2月は入試シーズンなので、早稲田大学のキャンパスはロックアウトされているのです。でもキャンプの最終日に、ちゃんと早稲田キャンパスには入れる予定です。今年の今後のキャンプでは、どっぷり早稲田大学で活動できる時もあるでしょう。なので今回は「準備編」です。

【実施概要】

  • 会期 :
    • 2024年2月23日(金・祝), 24日(土), 25日(日) [2泊3日]
  • 対象 :
    • 福島と関東・北陸を中心とする小学1年生〜高校3年生
    • 東北新幹線・北陸新幹線・上越新幹線をご利用の場合、往復の新幹線代はキャンプが持ちます。ただし、スタッフによる引率ができませんので、郵送する切符を受け取り、自分で指定された号の指定された座席に乗れることが条件です。東京駅まで送迎があります。
  • 定員 :
    • 10名程度

内容は、やや高学年 (小4以上程度) 向けです。低学年 (小4未満程度) の参加にあたっては、できるだけ兄・姉と一緒に参加して適宜サポートできるようにしてください。
※ 高校生はサブリーダー (キャンプスタッフをサポートする役目も担う参加者) としての活躍も期待します。

  • 会場・宿泊 : 東京都渋谷区および新宿区 (2/24, 2/25 の会場は早稲田大学+周辺; 具体的な場所は参加者にお知らせします)
  • 参加費 (集合場所からの交通費・宿泊費・滞在中の食費・保険等を含みます。)
    • ひとり 3,000円

【参加にあたって】

  • お住まいの地域によっていくつか交通のサポートがあります (以下、太字は可能な集合場所)。
  • 福島県(以北)にお住まいの参加者は、当日の朝、仙台駅福島駅郡山駅等から新幹線を使って移動します。
    • いわき駅-東京駅を往復移動する場合の JR 特急料金・乗車賃もキャンプで負担します (新幹線と同様に、自分で乗り降りできることが条件です)。
  • 東北新幹線・北陸新幹線・上越新幹線の他の駅からも新幹線代はキャンプ持ちで乗車いただけます。
  • その他の地域にお住まいの参加者は、東京駅に集合し、みんなで会場に移動します。
  • 東京駅または上記新幹線の駅までの往復交通費は各自のご負担でお願いいたします。
  • 会期中は、大学生や大人たちと共同生活しながら、AI による道具やパートナーづくりに挑戦します。

【参加申し込み】

定員に達したため、お申し込みを締め切りました。

上記のフォームが使えない場合は、お子さまのお名前 (ふりがな)、生年月日、学校名・学年、保護者のお名前、保護者のメールアドレス、電話番号、ご住所、ご希望の集合場所、「GPT を使ってどんなアプリを創りたいか」をご記入の上、info@academy-camp.org 宛てにメールにてお申し込みください。

※ 携帯アドレスでお申し込みの方は、info@academy-camp.org からのメールを受信できるように設定ください。
※ ezweb の場合は上記アドレスからのメールが届かないこともありますので、2日経っても返事がない場合は電話番号を添えてメールにてお問い合わせください。
※ Gmail の場合、上記アドレスからのメールが届きにくくなっています (Gmail の受信ポリシーが厳しくなったためです)(回避のため、アカキャン代表のメールアドレスから送信する場合があります)。返事がない場合、迷惑メールに振り向けられている場合もございますので、念のためご確認してからお問い合わせください。

実施責任者

  • 斉藤 賢爾
    (早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授 /
    慶應義塾大学 SFC 研究所 上席所員 /
    アカデミーキャンプ代表理事)
  • 南 政樹
    (アカデミーキャンプ理事)

共催

慶應義塾大学 SFC 研究所 パブリックテクノロジーデザインコンソーシアム

助成

GlobalGiving grant made in partnership with Riot Games

【お礼とメッセージ】新年のご挨拶

アカデミーキャンプより、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

こどもたちと同じ方を向こう
[こどもたちと同じ方を向こう]

2024年、また新たな年を迎えるにあたり、私たちアカデミーキャンプの活動を振り返り、これからに向けた想いをみなさまと共有したいと思います。

まず、令和6年能登半島地震にて被災したみなさまに心よりお見舞いを申し上げます。アカキャンの活動も、2011年の東日本大震災をきっかけに始まりました。災害という突然の出来事が、私たちの日常を一変させる中で、思い通りに生きていくとはどういうことなのかという問いが、私たち自身にも、こどもたちにも突きつけられていると思います。一度しかない人生を思い通りに生き切るための、本物の自由とは何でしょうか、そしてそれをどのようにこどもたちは知ることができるのでしょうか。

デヴィッド・グレーバーとデヴィッド・ウェングロウによる『万物の黎明』には、こんな一節があります。”Wendat had play chiefs and real freedoms, while most of us today have to make do with real chiefs and play freedoms.” (ウェンダットには遊びの酋長と本当の自由があったが、現代の私たちのほとんどは本当の酋長と遊びの自由でやりくりしなければならない。─ 翻訳 : DeepL) ウェンダットは 17世紀の北アメリカの先住民の連邦です。ふたつのうちどちらかと言われたら、遊びの酋長と本当の自由がある方を選びませんか?まず私たち大人にできることは、自分たちがどうしても酋長に見えてしまう場合、少なくとも遊びの酋長でいることだと思います。こどもたちには、自由ごっこよりも、本当の自由を。

(でも、上の絵はこどもたちを背番号で管理しているように見えるですって?!それは酋長ごっこだからですよ。こどもたちは、もし自分たちが標準化されていると感じたら、いつでもそこから逃げ出せばよいのです。)

2023年、アカキャンのこどもたちは生成AI を通してまたひとつ自由のための道具を手にしました。2024年も、私たちはそのことの追求をこどもたちと一緒につづけていくつもりです。

みなさまのご支援、ご参加に心より感謝を申し上げます。本年もアカデミーキャンプをよろしくお願いいたします。こどもたちと一緒に、本当の自由を探求する旅を続けましょう。(この文章は GPTs で作った私たちの「読書感想文ジェネレータ」を通して GPT-4 と共作することにより書かれました。)

【活動報告】アカデミーキャンプ in Maker Faire Tokyo 2023

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

展示する気まんまん!
[展示する気まんまん!]

2023年10月14日と15日の週末に、私たちはMaker Faire Tokyoでの 3回目となる現地展示を開催しました。会場は東京湾エリアの東京ビッグサイトでした。福島、関東、愛知からの小学生、中学生、高校生を含む9名のこどもたちが集まり、アカデミーキャンプの今年の活動成果を展示しました。

今年は、生成AIとして知られる技術の助けを借りて、私たちはさまざまなものを創り出しました。1月のキャンプでは絵本を制作し、2月と3月のキャンプでは ChatGPT とのやり取りを探求しました。5月には、娯楽を超えて学習やその他の目的を持つシリアス RPG (シリアスゲーム) をプロンプトエンジニアリングによって作成しました。7月には、私たちのキャンプのサブリーダーである高専生が、Minecraft 上で「リサイクルゲーム」という別のシリアスゲームの例を開発し、みんなでテストプレイしました。そして8月には、箱根で読書感想文の自動化に取り組みました。今回の出展では、これらの活動の成果である絵本、ゲーム、GPT向けのプロンプトを展示しました。これらはアカデミーキャンプに参加しているこどもたちによる成果物なのです。

Maker Faire で私たちが誇らしく思うのは、”MAKER” タグを着けることで、こどもたちが私たちの社会の VISITOR ではなく、自らが MAKER であることを再認識できることです。私たちはとても充実した 1年を過ごしたと思います。2024年も、こどもたちが MAKER として何かを創り続けることを支援して参ります。

今回の展示に関係するキャンプ活動
[今回の展示に関係するキャンプ活動]
Day 1 の終わりに、展示した絵本とともに
[Day 1 の終わりに、展示した絵本とともに]
2日目、改善した展示内容で
[Day 2、改善した展示内容で]
Day 2 の終わり。楽しかったね!
[Day 2 の終わり。楽しかったね!]

【成果報告】アカデミーキャンプG (Generative)

2023年の活動成果物を Maker Faire Tokyo 2023 にて展示しました。また、シリアス RPG の設計とプレイについて、アイルランドにて開催された国際会議 JCSG (Joint Conference on Serious Games) 2023 にて発表しました。そのどちらの機会でも、公開して欲しいという声を何度もいただきましたので、シリアス RPG プロンプトやそのプレイ動画をみなさんと共有します。(2023-11-14 追記) GPTs 版もリンクを公開します。

We exhibited the products of our 2023 activities at Maker Faire Tokyo 2023. We also presented our work on Serious RPG design and play at the JCSG (Joint Conference on Serious Games) 2023 in Ireland. We have received numerous requests to make our work available to the public on both occasions, so we are pleased to share the Serious RPG prompts and videos of our work with you. (Added on 2023-11-14) GPTs are also available by links.

シリアス RPG プロンプト (GPT-4 向け)

読書感想文の自動化のプロンプト (GPT-4 向け)

論文執筆の自動化のプロンプト (GPT-4 向け)

プロンプトのプレイ動画 (ChatGPT クローンを使用)

使用した ChatGPT クローン : https://github.com/mckaywrigley/chatbot-ui.git

発表した論文

Saito, K. et al. (2023). Double Impact: Children’s Serious RPG Generation/Play with a Large Language Model for Their Deeper Engagement in Social Issues. In: Haahr, M., Rojas-Salazar, A., Göbel, S. (eds) Serious Games. JCSG 2023. Lecture Notes in Computer Science, vol 14309. Springer, Cham. https://doi.org/10.1007/978-3-031-44751-8_21

【活動報告】アカデミーキャンプ 2023夏「箱根おこもり旅」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

ペンギンとハイタッチ、水族館の思い出
[ペンギンとハイタッチ、水族館の思い出]

8月5日から 7日までの 3日間、私たちは関東地方の夏の避暑地、箱根にて、ひさびさの真夏のキャンプを開催しました。福島や他の地域からの、小学生から高校生・高専生まで、合計 10名のこどもたちがこのキャンプに集まりました。キャンプのタイトルは「おこもり」と言っていますが、実際にはどうだったでしょうか。

私たちは海賊船 (といっても芦ノ湖の交通手段のようなものですが) に乗り込み、猫がいる旅館にチェックインしました。そして、幸運にも雨が降ったので(なぜならそれが真夏の中でも私たちを涼しく保ってくれるからです)、森の中での冒険、吹きガラス体験、謎解き、水族館、動物との触れ合いなどを楽しみました。 そう、それと BBQ と花火もです!

しかし、このキャンプのゴールは、大規模言語モデルに自動的に読書感想文を書いてもらうことでした。そのため、私たちは少しの間、星槎大学箱根キャンパスに「おこもり」し、基本的には「この本を読んだというあなたは何者ですか?」という問いを投げかけるプロンプト (プログラム) をチャットに投入しました。そして私たちが、ひたすら (それぞれが読んだ本に関連して) 自分自身が何者であるかという問いに答え続けると、大規模言語モデルが本に対する私たちの感想を自動的に書いてくれました。その結果、素晴らしい読書感想文のコレクションが生まれ、私たちはそれを聞かせ合いました。

私たちが夏の物理キャンプを開催するのは久しぶりでしたが、素晴らしい思い出になったと思います。こどもたちも同じ気持ちだとしたら嬉しいし、今後も新しいキャンプ体験がたくさんできることを願っています。

少しずつ、お助けください。

国際クラウドファンディング GlobalGiving の 2023年9月の Little by Little キャンペーンが、日本時間 2023年9月18日(月) 午後1時から 2023年9月23日(土) 午前12時59分 まで開催されます。このキャンペーン期間中は、ご寄付おひとり当たり上限 50米ドルまでに対して 50% がマッチングされ上乗せされます。この絶好の機会を利用して、福島のこどもたち、日本のこどもたち、そしてアカデミーキャンプへのさらなるご支援を賜れたら幸いです。

GlobalGiving でのアカデミーキャンプのページ : https://www.globalgiving.org/projects/academy-camp/

海賊船に乗り込もう!
[海賊船に乗り込もう!]
森の冒険を完遂した!
[森の冒険を完遂した!]
待ち望んでいた吹きガラス体験
[待ち望んでいた吹きガラス体験]
ほぼ唯一の「おこもり」活動を、本と一緒に
[ほぼ唯一の「おこもり」活動を、本と一緒に]
猫たちのいる愛すべき宿をチェックアウト!
[猫たちのいる愛すべき宿をチェックアウト!]

【活動報告】アカデミーキャンプ VOXEL 2023.7「マイクラ DAZE!」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

参加者が開発したゲームをはじめよう
[参加者が開発したゲームをはじめよう]

2023年7月の日本における 3連休、私たちは Minecraft をプレイすることに特化したオンラインキャンプを開催しました。

全国から集まった小学生から高校生・高専生までの 10名のこどもたちがこのキャンプに参加しました。 ほとんどの時間はMinecraft の世界で物を作ることに費やされ、大人のスタッフの中には初めて Minecraft をプレイする人もいましたが、こどもたちが熱心に遊び方を教えてくれるので助かりました。

ひとりの女性の高専生が、大規模言語モデルの助けを借りて、Minecraft でプレイするシリアスゲーム (娯楽を第一の目的としないゲーム) を開発しました。これはリサイクル体験を可能にするゲームで、プレイヤーは建物を解体し、素材を集め、森林の資源を活用することができます。非常に複雑なゲームですが、3日間で 3回プレイし、ゲームの設計と運用が改善されました。この間、大人たちはこどもたちから学びながらゲームをプレイし運用しました。

このキャンプではたくさんの楽しみがありましたし、その成果は 10月の Maker Faire Tokyo 2023 で展示される予定です。このキャンプを通して、こどもたちが人生で最高の “DAZE” (クラクラした時間; DAYS (日々) と掛けています) を過ごせたことを願っています。

少しずつ、お助けください。

国際クラウドファンディング GlobalGiving の 2023年9月の Little by Little キャンペーンが、日本時間 2023年9月18日(月) 午後1時から 2023年9月23日(土) 午前12時59分 まで開催されます。このキャンペーン期間中は、ご寄付おひとり当たり上限 50米ドルまでに対して 50% がマッチングされ上乗せされます。この絶好の機会を利用して、福島のこどもたち、日本のこどもたち、そしてアカデミーキャンプへのさらなるご支援を賜れたら幸いです。

GlobalGiving でのアカデミーキャンプのページ : https://www.globalgiving.org/projects/academy-camp/

今回のキャンプでつくられた構造物のひとつ
[今回のキャンプでつくられた構造物のひとつ]
今回のキャンプでつくられた構造物をもっと
[今回のキャンプでつくられた構造物をもっと]
ゲームのルールを開発者が説明する
[ゲームのルールを開発者が説明する]
さあ、最後の試合だ!
[さあ、最後の試合だ!]
人生最高の DAZE (クラクラ) をお楽しみください
[人生最高の DAZE (クラクラ) をお楽しみください]

【参加募集】アカデミーキャンプ 2023夏「箱根おこもり旅」

「おこもり」と言いつつ、多少の外遊びも企画しておりますが、定員に達したため募集をしめきりました!

箱根(?)で脳内探検?! 〜 Stable Diffusion XL Beta で生成
[箱根(?)で脳内探検?! 〜 Stable Diffusion XL Beta で生成]

【開催趣旨】─ もう一度チャレンジする、読書感想文の自動化に!

あれは 5年前。2018年の夏、私たちはアカデミーキャンプ 2018夏「オッケーグーグル、宿題やっといて!」第1・2期にて様々な宿題の自動化を試みました。「計算ドリル」なんて、チョロいもので、出題側まで自動化してしまいましたね。でも、その後も絶対自動化できないと結論づけたのが「読書感想文」でした。なぜなら、学校でどう指導されているかに関わらず、読書感想文とは、本質的に「この本を読んだという、お前は何者だ?」という問いへの答えだからです。

でもちょっと待って。だったら「この本を読んだというお前」に聞くべき質問を自動でしてもらって、それに答えていったら、自動で感想文が出来上がるようにできるのでは?その実現のためには、広い意味でプログラミングが必要ですし、「良い文章とは?」という問いに答えられるだけの、作文への理解も必要です。漫然と作文するよりも、よほど深い探求が必要なのです。楽をするためなら、どんな苦労だって厭わない!

さあ、大規模言語モデル GPT-4 と一緒に、キミの脳内の探検に出かけましょう。物理的には、多くの文豪たちが愛した土地、箱根に行きます。温泉があります。多分、バーベキューもします。でもメインの活動は、かつて「地獄谷」と呼ばれた大涌谷(おおわくだに)…ではなく、読書感想文の自動化を通して、キミの脳内を探検することです。

【実施概要】

  • 会期 :
    • 2023年8月5日(土), 6日(日), 7日(月) [2泊3日]
  • 対象 :
    • 福島と関東を中心とする小学1年生〜高校3年生
  • 定員 :
    • 10名程度

内容は、やや高学年 (小4以上程度) 向けです。低学年 (小4未満程度) の参加にあたっては、できるだけ兄・姉と一緒に参加して適宜サポートできるようにしてください。
※ 高校生はサブリーダー (キャンプスタッフをサポートする役目も担う参加者) としての活躍も期待します。

  • 会場・宿泊 : 箱根町 (神奈川県足柄下郡; 具体的な場所は参加者にお知らせします)
  • 参加費 (集合場所からの交通費・宿泊費・滞在中の食費・保険等を含みます。)
    • ひとり 3,000円

【参加にあたって】

  • お住まいの地域によっていくつか交通のサポートがあります (以下、太字は可能な集合場所)。
  • 福島県(以北)にお住まいの参加者は、当日の朝、福島駅郡山駅のいずれかに集合していただき、新幹線を使って移動します。
    • 高校生以上がいわき駅-東京駅を往復移動する場合の JR 特急料金・乗車賃もキャンプで負担します。
    • お申し込み状況によっては仙台駅新白河駅にも集合可能な場合があります。
  • その他の地域にお住まいの参加者は、東京駅または小田原駅に集合し、みんなで会場に移動します。
  • 集合場所までの往復交通費は各自のご負担でお願いいたします。
  • 会期中は、大学生や大人たちと共同生活しながら、読書感想文を自動的に作文することに挑戦します。
    • 感想文を書きたい本を、各々が持参してください (電子書籍も可)。
    • 本が思い浮かばない場合は、例えばこんな本はいかがでしょうか
      (大人のみなさんからのお奨めです)。
      • 養老孟司「解剖学教室へようこそ」, ちくま文庫
      • 菅野仁「友だち幻想」, ちくまプリマー新書
      • ミヒャエル・エンデ「モモ」, 岩波少年文庫
      • ミヒャエル・エンデ「はてしない物語」, 岩波少年文庫
      • 山中恒「ぼくがぼくであること」, 岩波少年文庫
      • ヨシタケシンスケ「りんごかもしれない」, ブロンズ新社
      • 村上龍「(新)13歳のハローワーク」, 幻冬舎
      • 孫泰蔵「冒険の書 AI時代のアンラーニング」, 日経BP
      • ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」, 新潮文庫
      • サン=テグジュペリ「星の王子さま」, 新潮文庫
      • 司馬遼太郎「燃えよ剣」, 新潮文庫
      • 小林多喜二「蟹工船」, 新潮文庫
      • 斉藤賢爾「不思議の国のNEO ─ 未来を変えたお金の話」, 太郎次郎社エディタス
      • 高橋真樹「こども気候変動アクション30」, かもがわ出版
      • 佐藤慧「10分後に自分の世界が広がる手紙」シリーズ, 東洋館出版社
      • 鈴木祐子「義足のアスリート 山本篤」, 東洋館出版社
      • 中沢啓治「はだしのゲン」, 中公文庫
      • 森野榮一, 斉藤賢爾「ぼくらのおカネをつくろうよ 上/下」, 自由経済研究 (36)/(37)
      • 辻村深月「かがみの孤城」, ポプラ文庫
      • 森絵都「みかづき」, 集英社文庫
      • L.M. モンゴメリ「赤毛のアン」, 文春文庫
      • ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」, ハヤカワ文庫
      • 山形浩生 監修「まんがでわかる ジョージ・オーウェル『1984年』」, 宝島社
      • 田沢五月「海よ光れ! : 3・11 被災者を励ました学校新聞」, 国土社
  • 感染症対策として、電車・バスでの移動中など、人混みの中ではマスク (不織布) の着用を推奨します。

【参加申し込み】

定員に達したため募集をしめきりました!

上記のフォームが使えない場合は、お子さまのお名前 (ふりがな)、生年月日、学校名・学年、保護者のお名前、保護者のメールアドレス、電話番号、ご住所、ご希望の集合場所、「どんな本の感想文を書きたいか」をご記入の上、info@academy-camp.org 宛てにメールにてお申し込みください。

※ 携帯アドレスでお申し込みの方は、info@academy-camp.org からのメールを受信できるように設定ください。
※ ezweb の場合は上記アドレスからのメールが届かないこともありますので、2日経っても返事がない場合は電話番号を添えてメールにてお問い合わせください。
※ Gmail の場合、上記アドレスからのメールが届きにくくなっています (Gmail の受信ポリシーが厳しくなったためです)。返事がない場合、迷惑メールに振り向けられている場合もございますので、念のためご確認してからお問い合わせください。

実施責任者

  • 斉藤 賢爾
    (早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授 /
    慶應義塾大学 SFC 研究所 上席所員 /
    アカデミーキャンプ代表理事)
  • 南 政樹
    (アカデミーキャンプ理事)

共催

慶應義塾大学 SFC 研究所 パブリックテクノロジーデザインコンソーシアム

助成

GlobalGiving grant made in partnership with Riot Games

【参加募集】アカデミーキャンプ VOXEL 2023.7「マイクラ DAZE!」

今夏のキャンプ第一弾は、オンラインで。エアコンのきいた部屋でマイクラで遊びたおそう!

[マイクラの世界に夢中。DAZE (デイズ) は放心ってこと。〜 Stable Diffusion XL Beta で生成]

【開催趣旨】─ 何度でも、世界を創れ。

VOXEL (ボクセル) は PIXEL (ピクセル)(画素) みたいな「立体の単位」で、通常は立方体です。つまりマイクラ (Minecraft) は「ボクセルワールド」です。

これまでアカキャン VR では、マイクラで世界の部品を創って、それを VRChat のワールドに展開してきました。マイクラでものづくりをしている間、みんなとても楽しそうにしているので、今回はマイクラそのものを舞台に世界創りにチャレンジするキャンプを開催しようってことです!そう、何度でもやり直しながらね。

【実施概要】

  • 会期 (2023年) : ※ できましたら 3日間の全セッションにご参加ください。
    • 7月15日(土) (10:00-12:00, 15:00-17:00)
    • 7月16日(日) (9:30-11:30, 14:00-16:00)
    • 7月17日(月・祝) (10:00-12:00, 16:00-18:00)
  • 対象 : 全国の小学1年生〜高校3年生 (最大 20名ほど)

※ 内容は、やや高学年 (小4以上程度) 向けです。低学年 (小4未満程度) の参加にあたっては、兄・姉や保護者が適宜サポートしてあげてください。
※ 各期とも、高校生はサブリーダー (キャンプスタッフをサポートする役目も担う参加者) としての活躍も期待します。

  • 参加費
    • 無料です (状況に応じて ChatGPT や Dream Studio (Stable Diffusion) のアカウントの作成と少額の課金を推奨する場合があります)。

【参加方法】

下記のフォームよりご登録ください。
https://forms.gle/WtWWyH5ZAfFuVsir7

上記のフォームが使えない場合は、お子さまのお名前 (ふりがな)、生年月日、学校名・学年、保護者のお名前、保護者のメールアドレス、電話番号、ご住所、「マイクラで何を創りたいか」をご記入の上、info@academy-camp.org 宛てにメールにてお申し込みください。

※ 携帯アドレスでお申し込みの方は、info@academy-camp.org からのメールを受信できるように設定ください。
※ ezweb の場合は上記アドレスからのメールが届かないこともありますので、2日経っても返事がない場合は電話番号を添えてメールにてお問い合わせください。
※ Gmail の場合、上記アドレスからのメールが届きにくくなっています (Gmail の受信ポリシーが厳しくなったためです)。返事がない場合、迷惑メールに振り向けられている場合もございますので、念のためご確認してからお問い合わせください。

実施責任者

  • 斉藤 賢爾
    (早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授 /
    慶應義塾大学 SFC 研究所 上席所員 /
    アカデミーキャンプ代表理事)
  • 南 政樹
    (アカデミーキャンプ理事)

共催

慶應義塾大学 SFC 研究所 パブリックテクノロジーデザインコンソーシアム

助成

GlobalGiving grant made in partnership with Riot Games

【活動報告】アカデミーキャンプVR&(あーんど)RPG 2023.5 “Don’t Be So Serious”

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

ゲームデザインに取り組む
[ゲームデザインに取り組む]

2023年の 5月連休に、私たちはオンライン 2日間、物理 2日間のキャンプを開催しました。北は福島を含む東北地方から南は九州地方まで、小学生、中学生、高校生、合わせて10名がキャンプに参加しました。

今回、キャンプメンバーは「シリアス RPG」の制作に挑戦しました。シリアス RPG は、ロールプレイングゲームをシリアスゲームにしたものです。シリアスゲームは、娯楽を主目的としない (ビデオ) ゲームのことです。私たちの社会で課題となっている問題を集め、それらの問題についてプレイヤーに知ってもらったり、どう解決できるかを考えるためのゲームを作ったのです。といってもゼロからゲームを作るのは大変なので、人工知能の力を借りることにしました。大規模言語モデル (GPT) へのプロンプトによる自動生成でシリアス RPG を作って遊ぶことに挑戦したのです。今回作成した一連の RPG は、言語モデルがゲームの進行を司るゲームマスター (GM) となり、こどもたちが物語の登場人物を演じて、彼ら・彼女らと GM が対話しながら即興で物語を作っていく、テーブルトーク RPG のようなものです。こどもたちは、日本語という自然言語でのプロンプトを使って、思い通りのゲームに近づけるために GM をプログラミングしたのです。

このことは、こどもたちにとって予想以上に難しかったかもしれませんが、大学院生たちや他のスタッフらの協力もあり、皮肉や笑いの効いたゲームが次々と生まれました。実は、キャンプの最初の方で、例えば首都圏の防災対策など、状況を想定したシミュレーションを作ることは比較的簡単だと私たちは気づきました。でも、それはちょっと真面目すぎるので、今回のキャンプのタイトルでもある “Don’t be so serious” を合い言葉にしたこどもたちは、ゲームとしてもっとワクワクするようなものを目指したということなのです。その結果、小さくなって食糧難に立ち向かうゲーム、皮肉にも陸地を広げることで海の大切さを学ぶゲーム、天候を操作して都市を水浸しにしようとすることで、逆に治水の意義を理解するゲーム、学校の宿題の存在意義を見直すゲームなど、さまざまなゲームが爆誕しました。

こどもたちは楽しんでチャレンジしていましたが、何より楽しかったのは、物理的に集まって一緒にキャンプをした経験で、それが印象に残ったようです。この夏は、熱中症に気をつけながら、再び物理的に集まり、かつこどもたちの未来を育むキャンプを開催できるよう準備を進めています。

7月のボーナス DAY について

みなさまからの 100ドル以上のご寄付に対してマッチングが行われる、国際クラウドファンディング GlobalGiving のボーナス DAY が 7月12日に開催されます。ご寄付の額が多いほど、マッチングの額も多くなります (GlobalGiving の予算が続く限り)。この貴重な機会に、福島のこどもたち、日本のこどもたち、そしてアカデミーキャンプへのさらなる応援を賜れれば幸いです。
GlobalGiving におけるアカデミーキャンプのページ : https://www.globalgiving.org/projects/academy-camp/

オンラインパートからスタート
[オンラインパートからスタート]
物理キャンプ開始!まずはアイスブレイクから
[物理キャンプ開始!まずはアイスブレイクから]
仲間たちとゲームデザインに取り組む
[仲間たちとゲームデザインに取り組む]
物理キャンプ、この日は終わり、でも翌日もある!
[物理キャンプ、この日は終わり、でも翌日もある!]
朝食を終えたら、再びワークショップへ
[朝食を終えたら、再びワークショップへ]