【活動報告】アカデミーキャンプ 2025 SuuuuuuMMeR「燃えろ!!ロボコン」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

ロボットアームを動かす練習
[ロボットアームを動かす練習]

8月の日本の3連休を使って、私たちはまた早稲田大学に舞い戻り、5月のキャンプのリターンマッチとなるロボティクスのキャンプを開催しました。東北や関東から20名の男女、小学3年生から高校2年生までがこのキャンプに参加しました。私たちは熱中症に気をつけながら、けれども結局は雨に助けられながら、暑い東京での3日間を過ごしました。

今回もテーマは未来の村における電力融通インフラのプロトタイピングでした。各家は再生可能エネルギーで自ら発電しますが、足りないときには近隣の家から電力を分けてもらいます。でも、この村には電線が無いので(あったら切れた時に電力を伝えられないので)、6本脚のロボットであるヘクサポッドが背中にバッテリーを載せて運びます。今回のキャンプでは、ヘクサポッドの背中にバッテリーを載せたり、背中からバッテリーを受け取ることができる、精緻な動きのできるロボットアームを導入しました。

いずれのロボットも、スマートフォンを通して日本語で話しかけることで、言われた通りに動きます(ヘクサポッドの動きは精緻ではないので、こどもたちは苦労していました)。一連の動作は煩雑なので、こどもたちはそれをまとめたスキルとしてロボットに覚えさせました。実のところ、ロボットはPythonコードで動いているので、実際には、こどもたちがやりたいことをロボットに伝え、ロボットに搭載されたAIがPythonコードを書いて実行し、思ったように動作していなければロボットに直すよう伝える、という流れでした。つまり、こどもたちは、ロボットを通していわゆる「ヴァイブ (vibe) コーディング」を経験していたのです!

こどもたちはロボットによるバッテリー運搬をゲームとしてデザインしました。何ができたら加点され、何をしてしまったら減点かを考えたのです。5月のキャンプのときよりも進歩したこどもたちとロボットは、どの班もかろうじてバッテリーを運搬することができました。でも、思ったようには動かなくて口惜しい思いもしたので、このロボティクス・キャンプのシリーズは、内容を少しずつ高度化しながら、これからも続けていくつもりです。

それにしても大活躍したのは高校生たちでした。人間の思考に「与えられたゴールに取り組み、困難を乗り越えて達成する型」と「今そこに存在しないものを新たに創造する型」の2つのパターンがあるとすれば、前回のキャンプでは、こどもたちが苦手とするのはむしろ前者であるという課題が明らかになりました。なので前者のトレーニングが必要なのですが、高校生たちはこのキャンプの中で、ちょっと込み入った図形を伝言で伝えていくという面白い遊びを企画してみんなで実施することにより、よいトレーニングができたのです。各班のサブリーダーとして活躍した高校生たちはまた、それぞれの班が考えたルールでバッテリー運搬ゲームを実施するのを巧みに率いました。私たちは彼ら・彼女らのこれからのますますの成長を本当に楽しみにしています!

ロボットアームとヘクサポッドを協調させるには?
[ロボットアームとヘクサポッドを協調させるには?]
バッテリー運搬ゲームのルールを考える
[バッテリー運搬ゲームのルールを考える]
やった!成功だ!
[やった!成功だ!]
ディナービュッフェ会場で集合写真
[ディナービュッフェ会場で集合写真]
大活躍だった高校生サブリーダーたち
[大活躍だった高校生サブリーダーたち]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2025GWeeeeeeK「がんばれ!!ロボコン」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

ものを掴めるタンク・ロボットを組み立てろ
[ものを掴めるタンク・ロボットを組み立てろ]

2025年5月の日本の連休(いわゆるゴールデンウィーク)中に、私たちは再び早稲田大学早稲田キャンパスにて、ロボットとAIをテーマにしたアカデミーキャンプを3泊4日の日程で開催しました。東北および関東地方から、小学生から高校生までの合計19名が参加しました。そのうち6名は高校生で、サブリーダーとして参加し、年少の参加者を支えるスタッフ的な役割も果たしました。

今回のキャンプの目標は、未来の村を想定し、ゲーム形式で新しい電力インフラをデザインすることでした。この村ではすべての家が自ら電力を生み出し、もし電力が不足した場合は、(切断されると停電を引き起こす従来の送電線ではなく) 近隣の家からロボットがバッテリーを運んでくるという仕組みを考えることにしました。この実現のため、各班は市販のロボットキットを用いて 2種類のロボット ― 物を運べるヘクサポッド (6本脚) ロボットと、物を掴んだり離したりする機構を備えた 2台のタンク・ロボット ― を組み立てるところから始めました。その後、各ロボットに AI を組み込み、日本語による対話を通じてプログラムし、ロボットの動作を調整・指示することで、目指すシステムの構築に取り組みました。

このチャレンジは非常に困難でした。最初のステップである、ロボットの組み立てだけでも予想以上に時間がかかり、多くの班が正しく組み立てることに苦戦しました。それでも、参加者たちは驚くべき創造力を発揮しました。主として紙から成る簡単な村のジオラマを作り、ロボットに音声で指示を出すことで、バッテリーに見立てた物体を運ばせることに成功しました。特に凄かったのは、ある班がヘクサポッド・ロボットだけを用いて、バッテリーを守るための球体ケースに見立てたボールを押して転がして、安全に目的地まで運ぶというアイデアを実現させたことでした。

人間の思考に「与えられたゴールに取り組み、困難を乗り越えて達成する型」と「今そこに存在しないものを新たに創造する型」の 2つのパターンがあるとすれば、今回のキャンプでは、参加者たちは前者に課題を抱えながらも、後者にはほとんど訓練を必要とせず卓越していることが改めて明らかになりました。未来の村の電力インフラをゲームとして十分に楽しむには時間が足りなかったため、次回のキャンプでも同じテーマに再チャレンジする予定です。この経験を通して、新たな課題も見えてきました。すなわち、AI やロボットが子どもたちの苦手な部分をどのようにサポートできるか、またその知見をどのように次回以降のキャンプ設計に活かしていくかという点です。

ものを運べるヘクサポッド・ロボットを組み立てろ
[ものを運べるヘクサポッド・ロボットを組み立てろ]
大学キャンパスでお弁当を食べる
[大学キャンパスでお弁当を食べる]
バッテリーを運ぶゲームをデザインしよう
[バッテリーを運ぶゲームをデザインしよう]
ロボットを連携させてバッテリーを運んでもらえるか?
[ロボットを連携させてバッテリーを運んでもらえるか?]
チャレンジを次のキャンプにつなげよう
[チャレンジを次のキャンプにつなげよう]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2025春「S.V.I.: Secret Vision Institute (秘密のヴィジョン研究所)」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

糸島を見渡す丘で叫ぶ
[糸島を見渡す丘で叫ぶ]

私たちは、2025年3月26日から29日までの3泊4日の日程で、初めて九州にてアカデミーキャンプを開催しました。キャンプの場所は糸島市で、Science Village in Itoshima(SVI : 糸島サイエンス・ヴィレッジ)の予定地を拠点としました。「S.V.I.: Secret Vision Institute (秘密のヴィジョン研究所)」と題されたこのキャンプでは、生成AIを重要なツールとして活用しながら、私たちが暮らす街を構想し、デザインする体験型プログラムを実施しました。東北・関東・東海・山陽の各地域から、小学生・中学生・高校生あわせて22名が参加しました。そのうち5名は高校生で、参加者であると同時にサブリーダーとして、スタッフ的な役割も果たしました。

私たちが最初に行った活動は、糸島市を巡ることでした。有名な観光地を訪れ、地元の人たちと話し、美味しい地元の料理も楽しみました。そうした体験が生成AIへのインプットとなり、地域での暮らしを想像した新聞記事や小説、ラップや歌、そしてなんとポケモンまでもが生み出されたのです。こうしたイメージやアイデアを共有することで、住民たちが自分たちの暮らしを共に形づくっていくことができます。これこそが、SVI が提案するまちづくりのアプローチなのです。

ある意味で、このアプローチはアカデミーキャンプがこれまで大切にしてきた「即興コメディー」にも通じるものがあります。東京や名古屋からはるばる来てくれたプロの即興劇の俳優たち (ロクディムさん) と一緒に、私たちは筋書きのないナラティヴを生み出すという表現の技を、体験を通じて改めて学びました。そして、糸島巡りで見て感じたことをインスピレーションに、俳優たちと即興でコメディーを創り出し、たくさんの笑いを共有しました。

なんと素晴らしい体験だったことでしょう!キャンプ中に使わせていただいた実験的な生成AIツール (テレポート) は、開発者の皆さんのご厚意により、今も参加者たちが利用できる状態にあります。私たちの「新しい暮らしづくり」の旅は、これからも続いていきます。そして何より素晴らしいのは ─ この手法は糸島に限らず、どこでも応用できるということです。さあ、次はあなたの街で!

遊覧船で入って行った洞窟の中で
[遊覧船で入って行った洞窟の中で]
夫婦岩の前で愛をカタチにする
[夫婦岩の前で愛をカタチにする]
糸島での体験をタネにして即興でコメディーをつくる
[糸島での体験をタネにして即興でコメディーをつくる]
AI が生成したイメージで大笑い
[AI が生成したイメージで大笑い]
これが Secret Vision Institute (秘密のヴィジョン研究所) だ!
[これが Secret Vision Institute (秘密のヴィジョン研究所) だ!]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2025冬「考えるのは奴らだ (Live and Let Think)」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

家事アシスタントに見立てた猫型ロボットに話しかける
[家事アシスタントに見立てた猫型ロボットに話しかける]

1月の日本の三連休に、私たちは再び早稲田大学でAIとロボティクスに関するキャンプを開催しました。東北、関東、東海地方から 12名の小中学生や高校生が参加しました。今回のキャンプは「考えるのは奴らだ」というテーマのもと、昨年 9月のキャンプで組み立てた AI搭載の猫型ロボットに、どのようなタスクや思考を割り当てるべきかを探る「メタ思考」に焦点を当てました。

最初のアクティビティは、なんと山伏の修行を簡単にしたものでした。私たちは白い宝冠を頭に巻き、大学キャンパス周辺の庭園や神社、公園を訪れ、祈りを捧げ、自然の存在を感じ、人間と自然の共生について考えました。この活動を行った理由は、AIやロボティクスが自動で動くように、自然もまた人間の視点から見ると自動で動いているからです。この類似性を通して、人間が自然とどのように関わるか、そしてそれがAIやロボットとの関係にどのように似ているかを考えるきっかけとしました。

次に、最新の生成AIツールを体験し、人間の思考能力を超え始めているAIの驚くべき力を実感しました。その後、ワールドカフェ形式で対話を行い、AIに対する私たちの感情、自然と AIの類似点と相違点、AIに何を任せるべきか、そして2035年には私たちは AIやロボットとどのように付き合っているのかについて考えを深めました。対話の中で、こどもたちから「AIと人間、どちらが『畑』なのか?どちらがどちらから収穫しているのか?」というユニークな問いが投げかけられました。この問いは議論を活発にし、見方によってはどちらも『畑』になる側面があるという結論に至りました。

次に、音声での対話が可能なように改良された 6台の猫型ロボットに、それぞれ独自のキャラクターや話し方を設定しました。その後、2035年におけるAIやロボットとの生活を描いた場面のデモを準備し、みんなの前で短い寸劇として発表しました。寸劇では、コンパニオンロボットと一緒に学校生活を送る場面や、家事を手伝ってもらう場面、ロボットをパートナーとして暮らす場面、遊び相手になってもらう場面などが描かれました。

サブリーダーとしての役割を担い、部分的にはスタッフとしても活躍した 4名の高校生たちは、このキャンプの成功において大きな役割を果たしました。彼らの貢献により、さまざまな体験やメタ思考を促すことができました。キャンプは、「ただ感じるだけでなく、共に生き、そして奴らに考えさせよう (Don’t just feel. Live, and let them think)」という重要なメッセージとともに幕を閉じました。これからも、こどもたち自身が未来を創造するキャンプをつづけて参ります。

自然との共生を感じるための山伏体験ワークショップ
[自然との共生を感じるための山伏体験ワークショップ]
ワールドカフェで、AI やロボットとの付き合い方を考える
[ワールドカフェで、AI やロボットとの付き合い方を考える]
ロボットのコンパニオンを連れた学校生活のデモ
[ロボットのコンパニオンを連れた学校生活のデモ]
小さな機械の花嫁との対話
[小さな機械の花嫁との対話]
W は早稲田の W
[W は早稲田の W]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2024秋「都の西北で、もう一度 AI(アイ) を叫ぶ」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

多くの時間を猫型ロボットの組み立てに費やした
[多くの時間を猫型ロボットの組み立てに費やした]

私たちは、日本の 9月の三連休に、早稲田大学早稲田キャンパスでの 2度目となる AI に焦点を当てたキャンプを開催しました。東北と関東から、小学生から高校生までの 9 名の参加メンバーが集まりました。過去のキャンプメンバーである高専生や大学生スタッフも参加しました。

今回、私たちは「身体を持つ生成 AI」の作成にチャレンジしました。市販の犬型ロボットキットをベースに(骨格的にはどう見ても猫型だったので、私たちはそれらを猫型ロボットと呼ぶことにしました)、マイコン制御のロボットを組み立てました。マイコンには Open Interpreter ソフトウェアを搭載し、日本語で指示を出すと、それに応じて動作するロボットを作り上げました。

キャンプの 2 日目には、早稲田キャンパスを探検し、演劇博物館や村上春樹ライブラリーなど、さまざまな博物館を訪れました。また、宿泊地に近い月島で、もんじゃ焼きも楽しみました。

そして 3 日目には、ついに私たちの猫型ロボットが動き始めました。例えば「壁まで 5cm の距離まで進んで」と依頼したところ、最初は壁にぶつかったり、失敗を繰り返したりしました。しかし、猫型ロボットは自分自身のコードを修正しながら、最終的には「壁から 20cm 離れるまで下がって」という依頼にも完璧に応えることができました。さらには、顔の正面に付いているカメラを通して何が見えているかも教えてくれるし、モールス信号でのコミュニケーションもできるようになりました。猫型ロボットから SOS が発せられたら、思わず助けに行かなきゃ、ってなりますよね!

私たちは、物理的な AI パートナーとの未来の暮らしを思い描き、そのビジョンを共有しました。そして、また猫型ロボットと遊ぶことを誓いました。今回のキャンプではロボットの組み立てに多くの時間を費やしましたが、次回はもっとたっぷりロボットたちと遊べることでしょう。

「昼間ミュージアム」企画では村上春樹ライブラリー等を訪問しました
[「昼間ミュージアム」企画では村上春樹ライブラリー等を訪問しました]
ロボットをキャリブレートするのはとても大事なステップです
[ロボットをキャリブレートするのはとても大事なステップです]
自律ロボットに何をして欲しいか、日本語でお願いする
[自律ロボットに何をして欲しいか、日本語でお願いする]
身体をもつ AI パートナーとの暮らしをみんなで考える
[身体をもつ AI パートナーとの暮らしをみんなで考える]
早稲田大学の創始者と一緒に
[早稲田大学の創始者と一緒に]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2024夏「Second Summer in 箱根 ─ キミがつくるアカキャン」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

配られたカードで班を知る
[配られたカードで班を知る]

8月19〜21日の 3日間、私たちはこの夏 2回目のキャンプであり、昨年に続いて箱根での 2回目のキャンプを実施しました。それが “Second Summer” というキャンプ名の由来です。東北から、関東から、信越から、東海から、そして地元である横浜や小田原から、総勢 18名のこどもたちがこのキャンプに参加しました。

このキャンプのテーマは「キミがつくるアカキャン」でした。箱根という避暑地にしてさまざまなアトラクションのある観光地で、みんなはどんな体験をするキャンプを自分たちで創り上げたのでしょうか。箱根火山の最後の爆発でできた噴気地帯、大涌谷をロープウェイで観光し、海賊船 (芦ノ湖の交通手段です) に乗り、森の中のアスレチックや、様々なプールで泳いだり、寄せ木細工づくりに挑戦したり。そんな定番の箱根での観光に加えて、当日は貸し切りとなった温泉旅館で、自分たちで考えた宝探しゲームでぞんぶんに楽しみました。それとバーベキューと花火も楽しみました。

最終日、私たちはふりかえりを行い、結局、自分たちは何を作ったのかを改めて問いました。その答えは、もちろん寄せ木細工や切り子ガラスもつくりましたが、「友情」「笑顔」「絆」「思い出」「協力関係」「計画性」といったものでした。このセカンドサマーの思い出を胸に、こどもたちと私たちの冒険はこれからも続きます。

フォレストアドベンチャー、2回目の夏
[フォレストアドベンチャー、2回目の夏]
寄せ木細工に挑戦
[寄せ木細工に挑戦]
ふりかえり ─ 私たちは何をつくった?
[ふりかえり ─ 私たちは何をつくった?]
[猫のいる温泉旅館にさらば!]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2024FS “First Summer in FukuShima” ─ 同窓会

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

最高の夕食を作って食べよう
[最高の夕食を作って食べよう]

6月の週末 (22日〜23日)、私たちにとって久々となる、福島での物理キャンプ (対面キャンプ) を開催しました。福島を含む東北、関東、中部地方から、小学2年生から高校1年生までの 13名のこどもたちが参加しました。スタッフは 16名で、そのうち 7名は過去にこどもたちとして私たちのキャンプに参加したことがあり、さらにそのうちの 4名は初めてスタッフとして参加しました。ふたりは過去および現在の参加者の母親たちでした。かつてこどもだったみんなが成長した姿で現れたこのキャンプは、まるで同窓会のようでした。

キャンプは、参加者が一堂に会する前にオンラインで次の質問をすることから始まりました。「最高の夕食を一緒に作って食べるとしたら、何を作りたいですか?」─ 答えは、みんなで一緒に包む餃子、そして福島の地元料理でした。そこでこどもたちは揃って買い出しに行き、猪苗代湖の北にあるコテージに集まって、全員で料理に挑戦し、美味しい夕食を楽しみました。期待通りに最高の夕食だったとすれば、その理由は何かと聞くと、こどもたちからは「みんなと作ったから」といった答えが返りました。そして次の日を最高なものにするために、「自分たちから楽しいことを見つけよう」とみんなで考えました。

翌朝もコテージでさまざまなアクティビティで楽しんだあと、一行は猪苗代湖の畔にある野口英世記念館に向かいました。そして野口博士の発見と、その多くは今日では否定されていることを学び、科学の絶え間ない営みと、決して無駄ではなかった彼の人生を賭けたチャレンジに想いを馳せました。こどもたちからは彼の人生について「科学的にも精神的にも、後続研究者の一助になったはずだ」という感想もありました。さようなら、千円札 (ご存じのように、野口英世博士は 2004年から 2024年まで、日本の千円札の肖像画に選ばれていました)。

楽しかった2日間、それは参加した中学生の言葉を借りれば「10日間くらい一緒にいたんじゃないかってくらい仲良くなれた」2日間でしたが、その体験をふりかえった後、私たちは別れを惜しみつつ、またの再会を誓って解散しました。そう、次は second summer キャンプかも知れません。

2024年7月ボーナスデーにご協力ください

2024年7月ボーナスデーキャンペーンは、国際クラウドファンディング GlobalGiving で行われる 1日限りのキャンペーンです。みなさまからのご寄付額が 100ドルから 1,000ドルの範囲内であれば、その金額に応じてマッチングされた額が上乗せされてアカデミーキャンプに届きます。ご寄付額が高いほどマッチング額も高くなります。キャンペーンは日本時間 7月10日(水) の 22:00 に始まり、翌 7月11日(木) の 12:59 に終了しますが、マッチングファンドは期間の終了前に無くなる可能性があります。現在、特に経済状況が厳しいことは承知していますが、この貴重な機会にぜひご寄付をご検討いただき、福島や日本全国のこどもたちの未来創りのために、アカデミーキャンプにご支援を賜れたら幸いです。

GlobalGiving でのアカデミーキャンプのページ : https://www.globalgiving.org/projects/academy-camp/

キャンプソングを歌って踊る
[キャンプソングを歌って踊る]
大きな「人間知恵の輪」に挑戦
[大きな「人間知恵の輪」に挑戦]
野口英世博士の像と一緒に
[野口英世博士の像と一緒に]
楽しかった 2日間をふりかえる
[楽しかった 2日間をふりかえる]
大きくなったメンバーたちとの同窓会
[大きくなったメンバーたちとの同窓会]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2024春 “ALOHA FROM HAWAII”

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

飛び上がりたくなるような体験
[飛び上がりたくなるような体験]

2024年3月26日(火)から30日(土)までの 5日間、私たちは太平洋を越えた初めてのキャンプ ”ALOHA FROM HAWAII” を実施しました。東北、関東、東海、九州地方からの19人のこどもたちが参加しました。参加者は小学3年生から高校(高専) 3年生までの幅広い年齢層でした。

キャンプのテーマは「創造性の翼で太平洋に出よう」でした。キャンプ後のアンケート結果によると、参加した全員がこのテーマ通りのキャンプだったと回答しました。

多くの参加者にとってこれが初めての海外旅行でしたが、ハワイの人々の優しさに囲まれ、多くの体験をしました。一緒に夕食を作ったり、プールや海で泳いだり、大自然の中で探検したり、そしてこどもたちのための創作ラボ “VIVISTOP” を訪れて、地元のこどもたちと一緒に踊り、音楽を作り、Tシャツをデザインし、ぬいぐるみを作ったりしました。キャンプは楽しさと興奮に満ちていました。

このキャンプは参加したメンバーとスタッフにとって素晴らしい学びの経験となりました。4月から高校生になったメンバーのひとりは、このような趣旨の言葉を書いていました。「冒険というともっとスリリングなものを想像していたが、アカデミーキャンプとしての冒険は『一緒に海外に行くこと』であり、それだけでも大きなことなのだと気づいた」

1か月経った今でも、メンバー限定の私たちのソーシャルメディアは、参加したこどもたちによる、この旅行の思い出話で一杯です。こどもたちの創造性の翼は、ますます拡がっています。

最大の学びを引き出すためのブリーフィング
[最大の学びを引き出すためのブリーフィング]
VIVISTOP HONOLULU でのダンスバトル
[VIVISTOP HONOLULU でのダンスバトル]
VIVISTOP HONOLULU での創造体験
[VIVISTOP HONOLULU での創造体験]
青を飛び超えろ
[青を飛び超えろ]
ハワイの人々へ、感謝を込めて
[ハワイの人々へ、感謝を込めて]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2024冬「都の西北でAI(アイ)を叫ぶ (準備編)」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

「何者かになること」を対話するワールド・カフェ
[「何者かになること」を対話するワールド・カフェ]

2月の2回目の3連休に、私たちは東京で物理キャンプを開催しました。物理的な集まりがすでにかなり回復しているため、「物理キャンプ」という名称はそろそろ少しそらぞらしく感じられるかもしれません。このキャンプは「都の西北」で開催され、東北、関東、東海地方から小学生、中学生、高校生・高専生の合わせて12名が参加しました。

「都の西北」は、ご存じの通り、早稲田大学の校歌の冒頭部分ですね。そうです、私たちは初めて早稲田大学のキャンパスでキャンプを開催しました。しかし、2月は入試シーズンだったため、キャンパスの中に実際に入ったのは最終日だけで、大半の時間を「早稲田の隣」で過ごしました (これは「天才バカボン」に登場する架空の大学、バカ田大学の校歌を参照しています)。

このキャンプのテーマはAIアシスタントの作成でした。子どもたちはAIチャットボットとの対話を通じて、日常生活を支援するための人工的なパートナーを作り出し、これにより、この春から日本のトップ私立大学である慶應義塾大学と早稲田大学の一部の授業で使用される新しい学習システムを試験しました。

最初にとりあえず、システムを試しに使ってみよう、とこどもたちが作った一連のAIアシスタントがすでに素晴らしく、中には何でも四文字熟語に変えたり、話している人に合わせた名言を生成したりできるものもありました。その後、キャンプの元々のテーマ「自分が何者か (somebody) になるための手助けをするAIアシスタントの作成」について、ワールドカフェ形式で対話をしました。アイデアがテーブルを超えて受粉され、ある高専生は驚いて言いました。「小学生から “メタ知識” の概念を学ぶなんて思わなかった!」

ワールドカフェ後の創造物には目を見張るものがありました。例えば、「宿題先生」アシスタントはむしろシンプルな例ですが、どんな課題を与えても、答えを教えるのではなく、解決のヒントをくれます。他には、苦しい状況の中で希望の光を提供するアシスタントや、好きなものから新しい趣味・娯楽を作り出す手助けをするアシスタント、あるいはどんなに悲惨な状況でも明るく前向きな反応を返すアシスタントなどが作られました。こどもたちは、ポスター&デモセッションでお互いに作り出したアシスタントの素晴らしさを共有しました。

最終日には、即興芝居×即興コメディの役者集団、ロクディムさんを迎え、久々に対面で、私たちがこれまで行ってきたことととてもよく合致する、即興劇に一緒に挑戦しました。まず第一に、AIアシスタントとのやり取りは即興的ですし、台本がなく先の見えない未来に自分で一歩を踏み出していくという点でも、こどもたちが置かれている状況と即興劇はよく似ているのです。大笑いしながらこの 3日間のキャンプもクロージングを迎え、私たちは再び会う約束をして (3月末にまたキャンプがありますから!) ひとまずそれぞの場所に帰りました。

アイスブレイク「人間知恵の輪」で始まった
[アイスブレイク「人間知恵の輪」で始まった]
創った AI アシスタントをポスターにして共有する
[創った AI アシスタントをポスターにして共有する]
AI アシスタントについてまとめる方が、それを創るよりも難しい?
[AI アシスタントについてまとめる方が、それを創るよりも難しい?]
即興芝居×即興コメディのロクディムさんらと即興でお芝居
[即興芝居×即興コメディのロクディムさんらと即興でお芝居]
みんなよくやった!大人もね
[みんなよくやった!大人もね]

【活動報告】アカデミーキャンプ in Maker Faire Tokyo 2023

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

展示する気まんまん!
[展示する気まんまん!]

2023年10月14日と15日の週末に、私たちはMaker Faire Tokyoでの 3回目となる現地展示を開催しました。会場は東京湾エリアの東京ビッグサイトでした。福島、関東、愛知からの小学生、中学生、高校生を含む9名のこどもたちが集まり、アカデミーキャンプの今年の活動成果を展示しました。

今年は、生成AIとして知られる技術の助けを借りて、私たちはさまざまなものを創り出しました。1月のキャンプでは絵本を制作し、2月と3月のキャンプでは ChatGPT とのやり取りを探求しました。5月には、娯楽を超えて学習やその他の目的を持つシリアス RPG (シリアスゲーム) をプロンプトエンジニアリングによって作成しました。7月には、私たちのキャンプのサブリーダーである高専生が、Minecraft 上で「リサイクルゲーム」という別のシリアスゲームの例を開発し、みんなでテストプレイしました。そして8月には、箱根で読書感想文の自動化に取り組みました。今回の出展では、これらの活動の成果である絵本、ゲーム、GPT向けのプロンプトを展示しました。これらはアカデミーキャンプに参加しているこどもたちによる成果物なのです。

Maker Faire で私たちが誇らしく思うのは、”MAKER” タグを着けることで、こどもたちが私たちの社会の VISITOR ではなく、自らが MAKER であることを再認識できることです。私たちはとても充実した 1年を過ごしたと思います。2024年も、こどもたちが MAKER として何かを創り続けることを支援して参ります。

今回の展示に関係するキャンプ活動
[今回の展示に関係するキャンプ活動]
Day 1 の終わりに、展示した絵本とともに
[Day 1 の終わりに、展示した絵本とともに]
2日目、改善した展示内容で
[Day 2、改善した展示内容で]
Day 2 の終わり。楽しかったね!
[Day 2 の終わり。楽しかったね!]