【活動報告】アカデミーキャンプ VR 2021.5「惑星アカキャンの誕生」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

手元のメタバースに自分の居場所を創る
[手元のメタバースに自分の居場所を創る]

5月の連休に、私たちにとって初となる試みとして、VR (バーチャルリアリティ) を使った 5日間のオンラインキャンプ、アカデミーキャンプ VR 2021.5「惑星アカキャンの誕生」を実施しました。まだ目が発達段階にある小学生には VR ヘッドセットの使用はお勧めできないため、小学生向けにはマインクラフトでお気に入りの場所を作るプログラムを用意しました。中高生向けには、希望者に VR ヘッドセットを長期貸し出しして、自分の手 (に持ったコントローラー) で世界をかたちづくることをテーマに、キャンプをシリーズで行うことにしました。参加してくれたのは総勢 18名のこどもたちです。最初の 3日間は、ツールの使い方に慣れるための練習期間でした。

マインクラフトでは、こどもたちのためにふたつの世界 (レルム) を用意しました。プログラムの最後には博覧会を開催しましたが、こどもたちが短時間で作った建物の多さに驚かされました。どれもこだわりのある魅力的なものばかりで、家の中を見せてもらったときには、まるで不動産屋さんに内見してもらっているような気分になりました。アカデミーキャンプからのメッセージは、常に「世界の VISITOR ではなく、MAKER であれ」というものなので、このマインクラフトのプログラムに参加したこどもたち全員に、アーサー・C・クラークのこの言葉のように、ふたつの世界の管理者となる権限を与えました。「これらの世界はすべてあなたたちのものです。一緒に使ってください。平和に使ってください」

VRプログラムでは、昨年に引き続き、宇宙科学の研究者である阿部先生をお招きしました。地球の月についての講義の後、VRの「大学の教室」に移動して質疑応答を行い、宇宙にまつわるさまざまな世界を訪れて先生の説明を聞きました。最後に、火星の表面で記念撮影をしました。また、VR アーティストの KAHUA さんによる、アーサー・C・クラークの「幼年期の終り」の最後の部分の朗読に続いて、みんなで想像力を膨らませて、VR 空間で自由に 3D ペインティングをしました。続いて、即興アーティストのロクディムさんと一緒に、Zoomで、順番に一語ずつ話し、一人の語り手を演じる「ワンワード」に挑戦しました。そして VR では、参加者がグループに分かれて即興劇ライブに挑戦し、不思議でエキサイティングな世界が展開されました

最終日の終わりに、このキャンプの責任者はどこかからのメッセージを受け取りました。「この惑星はもうお終いです…。大人たちがこの星をダメにしてしまった。みんなで他の星に逃げよう!」そして、みんなでポータルに飛び込むと、何もない世界にたどり着きました。「ここは惑星アカキャン。ここから先は、みんなで創っていけるのです」それが、このキャンプの閉会式でした。みんなが一言ずつ感想を述べた後、別のポータルが現れました。みんなで飛び込むと、そこにはみんなで 3D ペイントした作品が VR の世界として再現されていました。こどもたちは、「VISITOR」ではなく「MAKER」になるという決意を胸に、さまざまな別々の世界に通じるポータルに次々とひとりずつ飛び込み、未知の世界へと旅立っていきました。

ボクセルワールドでのこどもたちの創造物のひとつ
[ボクセルワールドでのこどもたちの創造物のひとつ]
未知なる世界を探検する
[未知なる世界を探検する]
Zoom でも VR でも即興劇ワークショップを実施
[Zoom でも VR でも即興劇ワークショップを実施]
「幼年期の終り」にインスパイアされた 3D ペインティング
[「幼年期の終り」にインスパイアされた 3D ペインティング]
火星で記念撮影
[火星で記念撮影]