このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。
2月の2回目の3連休に、私たちは東京で物理キャンプを開催しました。物理的な集まりがすでにかなり回復しているため、「物理キャンプ」という名称はそろそろ少しそらぞらしく感じられるかもしれません。このキャンプは「都の西北」で開催され、東北、関東、東海地方から小学生、中学生、高校生・高専生の合わせて12名が参加しました。
「都の西北」は、ご存じの通り、早稲田大学の校歌の冒頭部分ですね。そうです、私たちは初めて早稲田大学のキャンパスでキャンプを開催しました。しかし、2月は入試シーズンだったため、キャンパスの中に実際に入ったのは最終日だけで、大半の時間を「早稲田の隣」で過ごしました (これは「天才バカボン」に登場する架空の大学、バカ田大学の校歌を参照しています)。
このキャンプのテーマはAIアシスタントの作成でした。子どもたちはAIチャットボットとの対話を通じて、日常生活を支援するための人工的なパートナーを作り出し、これにより、この春から日本のトップ私立大学である慶應義塾大学と早稲田大学の一部の授業で使用される新しい学習システムを試験しました。
最初にとりあえず、システムを試しに使ってみよう、とこどもたちが作った一連のAIアシスタントがすでに素晴らしく、中には何でも四文字熟語に変えたり、話している人に合わせた名言を生成したりできるものもありました。その後、キャンプの元々のテーマ「自分が何者か (somebody) になるための手助けをするAIアシスタントの作成」について、ワールドカフェ形式で対話をしました。アイデアがテーブルを超えて受粉され、ある高専生は驚いて言いました。「小学生から “メタ知識” の概念を学ぶなんて思わなかった!」
ワールドカフェ後の創造物には目を見張るものがありました。例えば、「宿題先生」アシスタントはむしろシンプルな例ですが、どんな課題を与えても、答えを教えるのではなく、解決のヒントをくれます。他には、苦しい状況の中で希望の光を提供するアシスタントや、好きなものから新しい趣味・娯楽を作り出す手助けをするアシスタント、あるいはどんなに悲惨な状況でも明るく前向きな反応を返すアシスタントなどが作られました。こどもたちは、ポスター&デモセッションでお互いに作り出したアシスタントの素晴らしさを共有しました。
最終日には、即興芝居×即興コメディの役者集団、ロクディムさんを迎え、久々に対面で、私たちがこれまで行ってきたことととてもよく合致する、即興劇に一緒に挑戦しました。まず第一に、AIアシスタントとのやり取りは即興的ですし、台本がなく先の見えない未来に自分で一歩を踏み出していくという点でも、こどもたちが置かれている状況と即興劇はよく似ているのです。大笑いしながらこの 3日間のキャンプもクロージングを迎え、私たちは再び会う約束をして (3月末にまたキャンプがありますから!) ひとまずそれぞの場所に帰りました。