このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

8月の日本の3連休を使って、私たちはまた早稲田大学に舞い戻り、5月のキャンプのリターンマッチとなるロボティクスのキャンプを開催しました。東北や関東から20名の男女、小学3年生から高校2年生までがこのキャンプに参加しました。私たちは熱中症に気をつけながら、けれども結局は雨に助けられながら、暑い東京での3日間を過ごしました。
今回もテーマは未来の村における電力融通インフラのプロトタイピングでした。各家は再生可能エネルギーで自ら発電しますが、足りないときには近隣の家から電力を分けてもらいます。でも、この村には電線が無いので(あったら切れた時に電力を伝えられないので)、6本脚のロボットであるヘクサポッドが背中にバッテリーを載せて運びます。今回のキャンプでは、ヘクサポッドの背中にバッテリーを載せたり、背中からバッテリーを受け取ることができる、精緻な動きのできるロボットアームを導入しました。
いずれのロボットも、スマートフォンを通して日本語で話しかけることで、言われた通りに動きます(ヘクサポッドの動きは精緻ではないので、こどもたちは苦労していました)。一連の動作は煩雑なので、こどもたちはそれをまとめたスキルとしてロボットに覚えさせました。実のところ、ロボットはPythonコードで動いているので、実際には、こどもたちがやりたいことをロボットに伝え、ロボットに搭載されたAIがPythonコードを書いて実行し、思ったように動作していなければロボットに直すよう伝える、という流れでした。つまり、こどもたちは、ロボットを通していわゆる「ヴァイブ (vibe) コーディング」を経験していたのです!
こどもたちはロボットによるバッテリー運搬をゲームとしてデザインしました。何ができたら加点され、何をしてしまったら減点かを考えたのです。5月のキャンプのときよりも進歩したこどもたちとロボットは、どの班もかろうじてバッテリーを運搬することができました。でも、思ったようには動かなくて口惜しい思いもしたので、このロボティクス・キャンプのシリーズは、内容を少しずつ高度化しながら、これからも続けていくつもりです。
それにしても大活躍したのは高校生たちでした。人間の思考に「与えられたゴールに取り組み、困難を乗り越えて達成する型」と「今そこに存在しないものを新たに創造する型」の2つのパターンがあるとすれば、前回のキャンプでは、こどもたちが苦手とするのはむしろ前者であるという課題が明らかになりました。なので前者のトレーニングが必要なのですが、高校生たちはこのキャンプの中で、ちょっと込み入った図形を伝言で伝えていくという面白い遊びを企画してみんなで実施することにより、よいトレーニングができたのです。各班のサブリーダーとして活躍した高校生たちはまた、それぞれの班が考えたルールでバッテリー運搬ゲームを実施するのを巧みに率いました。私たちは彼ら・彼女らのこれからのますますの成長を本当に楽しみにしています!




