【活動予定】キミが決めるキャンプを創る

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

アイデアで自分たちを驚かせよう
[アイデアで自分たちを驚かせよう]

2017年12月のアカデミーキャンプはロンドンでのチャリティーコンサートから始まりました。改めて、コンサートの実現に努力してくださった方々、出演した青葉市子さん、そして GlobalGiving を通してご寄付をいただいた皆様方に感謝いたします。素敵な贈りものをありがとうございました。

私たちも、ちょっとした贈りものを、この夏のキャンプの一部の参加者のみなさんにようやくお送りできました。FabCafe Tokyo で 8月に自分たちで 3Dスキャンしたデータから 3D フィギュアを作るのに、かなり時間がかかってしまったのです。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス (SFC) の施設を使って 3Dプリンティングするための手続きと、あとはデータ形式のミスマッチがあって、遅くなってしまいましたが、やっとプリントが完了しました。フィギュアを並べると、キャンプの同窓会みたいになりました (↓写真)。

さて、私たちは今、2018年最初のキャンプとなる、2月に SFC にて開催する「キミが決める!アカデミーキャンプ 2018冬」の準備をしています。私たち大人のスタッフは、キャンプで何をやるかを決めません。参加者たちが決めます。なぜなら、現在のこどもたちが育ち、活躍する頃の AI (人工知能) 社会では、自動化されずに残り、人間が持たなければならない大事なスキルは、「何をやりたいか決めること」だと考えているからです。すでに、参加申し込みと一緒に、キャンプで何をやるかについてのいろんなアイデアを受け取っています: ロボットづくり、新しいスポーツづくり、大きなピタゴラ装置をみんなで作ること、スターウォーズの世界を再現すること、などなどです。3日間のキャンプでそれら全部をやることは可能でしょうか?トライしてみる価値はありそうです。こどもたちと一緒にチャレンジすることを、私たちは心待ちにしています。

みなさまのご支援のおかげで、冬のキャンプの実施に必要な予算額はかろうじて確保できました。ですが、その後につづくキャンプのためにも、引き続きみなさまからのご支援をどうかよろしくお願いいたします。みなさまも、こどもたちが欲する未来を近づけるため、一緒にチャレンジしていただけたら幸いです。

夏からの贈りもの ─ 同窓会みたいだね
[夏からの贈りもの ─ 同窓会みたいだね]
キミは何を決める?
[キミは何を決める?]
昨春のキャンプから ─ リピーターも待ってるよ
[昨春のキャンプから ─ リピーターも待ってるよ]

【メディア】「教育と医学」2018年1月号に掲載されました

教育と医学2018年1月号

慶應義塾大学出版会の雑誌「教育と医学」No.775 (2018年1月号)「特集1 AI社会の子どもと教育」に、『次世代の創造 : 「アカデミーキャンプ」での取り組みから』と題した記事が掲載されました (執筆はアカデミーキャンプ代表理事の斉藤が担当しました)。2017夏のキャンプでディープラーニング (深層学習) という AI (人工知能) の技術の体験ワークショップを実施したことから、編集の方にお声がけをいただいたものです。そのワークショップに限らず、最近のアカデミーキャンプの考え方と取り組みを紹介した記事となっています。

「AI社会」はすぐそこまで来ています。「OK グーグル、宿題やっといて」と言ったらできちゃうような内容の教育で、この先よいのでしょうか?これからのこどもたちの学びについて考えるきっかけになったら幸いです。

【募集終了】キミが決める!アカデミーキャンプ 2018冬

正しい人工知能の動作は、人間が決める
[正しい人工知能の動作は、人間が決める]

今度のアカキャンの内容は、「キミが決める!」
対象は小学4年生から高校生まで。ふるってご参加ください!

【開催趣旨】 ─ キミが決めるキャンプ

「これは、まだ人間が自動車を運転していた頃の話だよ」
今のこどもたちが大人になったとき、そんな風に前置きをして、彼ら・彼女らのこどもたちに、自分がこどもだった時代の話をするのかもしれません。今まで培われてきた常識が大きく覆っていき、今は人間にしかできないと思われている知的な活動の多くの部分も人工知能が担っていくことになるでしょう。そんな中、「何をやりたいのか」ということだけは、やっぱり人間からしか出てこないと考えられます。だからこそ、今のこどもたちには「決める」力と、大人の干渉を受けずにそれを使う体験が必要です。

そこで、このキャンプでは、参加するこどもたちのアイデアにもとづいてキャンプを構成します。キャンプの中で何をやるかの決定権は、できるだけ 30歳以上は持たないようにします。

申し込み時に書いていただく希望の中から事前に準備が必要なものは予め選びますが、その場で決められるものはその場で決めて、当日、最終的なプログラムが決まる 2泊3日のスペシャルな体験です。共通のお題は「キミが大人になったときの未来社会あれこれ」。ぜひ、未来の先取り体験を夢想して申し込んでください!

【実施概要】

  • 会期 :
    • 2018年2月10日(土)〜12日(月) [2泊3日]
  • 対象 (定員) :
    • 福島県在住の小学4年生〜中学・高校生 (24名)

    ※ 小3以下の参加ご希望についてはご相談ください (兄弟・姉妹との参加に限り配慮します)。
    ※ 高校生はサブリーダー (大学生リーダーらのサポート) としての活躍を期待します。

  • 会場 : 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス (SFC) (神奈川県藤沢市)
  • 宿泊 : SFC 未来創造塾 滞在棟 1
  • 参加費:ひとり 6,000円
    (集合場所からの交通費・宿泊費・滞在中の食費・保険等を含みます。初日お昼のみお弁当をご持参ください。)

【参加にあたって】

  • 当日の朝、福島駅・郡山駅・新白河駅のいずれかに集合していただき、新幹線を含む公共交通機関で移動します。集合時間は、福島駅・郡山駅 10:15頃、新白河駅 10:30頃、現地着 14:30頃を予定しています。
  • 集合場所までの往復交通費は各自のご負担でお願いいたします。
  • 会期中は、さまざまなことに興味をもつ大学生たちと共同生活しながら、参加者が希望する「やりたいこと」の専門家らとのワークショップに参加します。また、身体をつかったさまざまな遊びの機会も設ける予定です。

【参加申込み】

定員に達したため、募集を終了しました。キャンセル待ちご希望の方は info@academy-camp.org 宛てにメールにてご連絡ください。

※ 携帯アドレスでお申し込みの方は、info@academy-camp.org からのメールを受信できるように設定ください。
※ ezweb の場合は上記アドレスからのメールが届かないこともありますので、2日経っても返事がない場合は電話番号を添えてメールにてお問い合わせください。

実施責任者

  • 斉藤 賢爾
    (慶應義塾大学 SFC 研究所 上席所員・環境情報学部 講師(非常勤) /
    アカデミーキャンプ代表理事)
  • 南 政樹
    (慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 特任助教 /
    アカデミーキャンプ理事)

共催

慶應義塾大学 SFC 研究所 パブリックテクノロジーデザインコンソーシアム

【お礼】ロンドンでのチャリティーコンサート

St Pancras Church にて演奏する青葉市子さん
[St Pancras Church にて演奏する青葉市子さん]

いつもチャリティーを通してアカデミーキャンプにご支援をいただいている大和日英基金と、そしてミュージシャンの青葉市子さんのご厚意により、12月4日(月) 19:00-20:00 (英国時間)、ロンドンの St Pancras Church にてチャリティーコンサートが開催されました。

100人ほどが聴きに来てくださり、チャリティーでは、福島のこどもたちとアカデミーキャンプへのご寄付が呼びかけられました。

青葉市子さま、大変お世話になった小川さまはじめ大和日英基金のみなさま、そしてコンサートを聴きに来てくださり、現金や GlobalGiving を通してご寄付をいただいたみなさま方に、深く感謝いたします。ありがとうございました!

【活動報告】アカデミーキャンプ 2017夏「次世代の創造」第2期

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

ゲームのキャラクターを作ろう
[ゲームのキャラクターを作ろう]

8月21〜24日、私たちはこの夏の 2期目のキャンプを慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス (SFC) にて開催しました。小学生・中学生、そしてサブリーダーとしての高校生1名を含む 24名の福島のこどもたちが、この「ディープラーニング」をテーマとしたキャンプに参加しました。

ふたたび「世の中の常識に従ったことで世界を変えた人はいまだかつていない (No one has ever changed the world by doing what the world has told them to do)」という10代の起業家、エディー・チョン氏の言葉に触発されて、私たちはこのキャンプを通して「従順になるな」というメッセージを打ち出しました。このキャンプの参加者たちが大人になる頃、従順であることにかけては、人工知能やロボットがもっとうまくやっているだろうからです。

前期のキャンプに倣って、私たちは即興からこのキャンプをはじめました。私たちの友人、即興芝居×即興コメディのロクディムさんが、このキャンプのオリエンテーションをリードし、またライブパフォーマンスではこどもたちを参加させてくださいました。翌日は江ノ島・鎌倉を散策しましたが、出発前に何枚かの写真を見せて、それと同じ場所・同じ構図で写真を撮ってくるというミッションがありました。そのうち 1枚は映画「シン・ゴジラ」の 1シーンでしたが、(想定通り) いくつかのチームは、ウェブを検索するだけで、出かける前にその撮影場所を特定していました。3日目は、はこだて未来大学の学生たちがゲームのデザインを体験させてくれました。また、Preferred Networks 社の研究者がやって来て、イヌとネコを見分けるニューラルネットワークをこどもたちと一緒につくりました。そして有名な「トロッコ問題」について紹介し、倫理と人工知能の問題についてみんなで深く考えることになりました。その夜は、キャンパスでの宝探しをしました。最終日には、こどもたちと学生スタッフがそれぞれ、自分が28歳になったときのことを考えました。

28歳とは、日本のユーチューバー、HIKAKIN の現在の年齢です。彼は自分がこどもの頃、今の職業に就くとは夢にも思っていなかったでしょう。同じように、こどもたちの前には未知の未来が広がっています。このふたつのキャンプを通して、保護者のみなさまからは多くのメッセージを受け取りました。多くの保護者のみなさまも、こどもたちの未知の未来が気がかりなようです。

【活動報告】アカデミーキャンプ 2017夏「次世代の創造」第1期

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

28歳になったら何になる?
[28歳になったら何になる?]

8月17〜20日、この夏の最初のキャンプを慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス (SFC) にて開催しました。小学生・中学生、そして 3名の高校生サブリーダーたちを含む、福島と千葉からの 25名のこどもたちが、この「デジタルファブリケーション (デジタルものづくり)」をテーマとするキャンプに参加しました。

「世の中の常識に従ったことで世界を変えた人はいまだかつていない (No one has ever changed the world by doing what the world has told them to do)」という 10代の起業家、エディー・チョン氏の言葉に触発されて、私たちはこのキャンプを通して「従順になるな」というメッセージを打ち出しました。このキャンプに参加したこどもたちが大人になる頃、従順であることにかけては人工知能やロボットがもっとうまくやっているだろうからです。

私たちは即興からこのキャンプをはじめました。私たちの友人、即興芝居×即興コメディのロクディムさんが、オリエンテーションをリードし、またライブパフォーマンスではこどもたちにも参加する機会がありました。翌日は渋谷の FabCafe Tokyo を訪問し、3Dスキャナーと 3Dプリンター、レーザーカッター、そしてオリジナルのテープづくりのマシンを使用する体験をしました。翌日は、江ノ島・鎌倉を散策しましたが、出発前に何枚かの写真を見せて、それと同じ場所・同じ構図で写真を撮ってくるというミッションが付いていました。藤沢市近辺の探検は楽しかったようです。最終日には、全員で、28歳になったときの自分のことを考えました。

彼ら・彼女らは何にだってなれるのです。このキャンプを通して、こどもたちがそんな風に感じられるようになったら幸いです。

【活動予定】次世代からのプロポーザル

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

感じるんじゃない…考えるんだ!
[感じるんじゃない…考えるんだ!]

この夏もまた、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス (SFC) にて、ふたつのキャンプを開催します。私たちはこのキャンプを『アカデミーキャンプ 2017夏「次世代の創造」』と名づけ、デジタルファブリケーション (デジタルものづくり) や、ディープラーニング (深層学習)、デジタルストーリーテリング、即興、そして江ノ島・鎌倉のデジタルオリエンテーリングなどを実施する予定です。福島や千葉から小学生・中学生・高校生が総勢50名ほど参加し、各期 3泊4日のキャンプを開催します。

今回、このキャンプを創るにあたり、私たち大人の出番は限られています。学生ボランティアたちからの提案がどんどん来ているのです。キャンプ中はそもそも “Student-Built Campus (SBC)” と名づけられた、学生たちの設計・建築による宿泊施設に滞在しますし、かつては福島メンバーだった学生たちがスタッフとして参加し、夜のキャンパスの探検のプログラムを提案しています。栄養学を学んでいる学生たちはどんどん献立を考えていますし、学生たちが他の学生たちをスタッフとしてリクルートしています。

次世代は本当にはじまっていると感じる毎日です。

【活動報告】空飛ぶアカデミーキャンプ 2017春

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

ドローンによる撮影をシミュレート
[ドローンによる撮影をシミュレート]

3月の連休(18〜20日)に、私たちは「空飛ぶアカデミーキャンプ 2017春」を開催しました。これは慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC) の”Student-built Campus”で私たちが開催した3度目のキャンプになります。福島から26名のこどもたちが参加し、そのうち 4名は高校生で、サブリーダーとして活躍しました。うち 3名は、田村市とSFC研究所 ドローン社会共創コンソーシアムの提携によりあらかじめドローンの操縦を習ってきました。同コンソーシアムはこのキャンプをアカデミーキャンプとともに共催しました。

この「空飛ぶ教室」で、私たちは色々なものを飛ばしました。紙飛行機や、ドローンや、そしてこどもたち自身が設計した紙でできたオブジェクトなどです。初日は、ある特定の条件を満たす紙飛行機を作るというオリエンテーションとチームビルディングのセッションの後、NASAの資料などを用いて、よくある誤解なども参照しながら、現在正しいとされる飛行機の揚力の理論を学びました。その後、紙飛行機を用いてその理論を検証することを試みました。2日目は、小さなドローンを飛ばす練習をして、それよりちょっと大きなドローンを使って空撮をする計画を立て、実際に撮影をやってみました。3日目は、紙でできたオブジェクトを設計して、それぞれどのくらい 1) 真っ直ぐ落ちるか、2) 空中に長く留まるか、3) 遠くまで飛ぶか、を競う競技をしました。まず、大学の建物の 2階から落として実験・テストし、それから 3階で本番の挑戦をしました。短い時間の中でこどもたちがどれだけのことを達成できるかを目の当たりにして、私たちは驚いています。

キャンプの後、こどもたちのご家族のみなさまから多くの感謝のメッセージをいただきました。ある参加メンバーは、帰ってからずっとネットでドローンについて調べているそうです。また、別の参加メンバーは、お母さまに熱心に正しい揚力の理論を説明したそうです。このキャンプが、こどもたちの好奇心を刺激するよいきっかけになったようで、嬉しく感じています。