このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

2025年5月の日本の連休(いわゆるゴールデンウィーク)中に、私たちは再び早稲田大学早稲田キャンパスにて、ロボットとAIをテーマにしたアカデミーキャンプを3泊4日の日程で開催しました。東北および関東地方から、小学生から高校生までの合計19名が参加しました。そのうち6名は高校生で、サブリーダーとして参加し、年少の参加者を支えるスタッフ的な役割も果たしました。
今回のキャンプの目標は、未来の村を想定し、ゲーム形式で新しい電力インフラをデザインすることでした。この村ではすべての家が自ら電力を生み出し、もし電力が不足した場合は、(切断されると停電を引き起こす従来の送電線ではなく) 近隣の家からロボットがバッテリーを運んでくるという仕組みを考えることにしました。この実現のため、各班は市販のロボットキットを用いて 2種類のロボット ― 物を運べるヘクサポッド (6本脚) ロボットと、物を掴んだり離したりする機構を備えた 2台のタンク・ロボット ― を組み立てるところから始めました。その後、各ロボットに AI を組み込み、日本語による対話を通じてプログラムし、ロボットの動作を調整・指示することで、目指すシステムの構築に取り組みました。
このチャレンジは非常に困難でした。最初のステップである、ロボットの組み立てだけでも予想以上に時間がかかり、多くの班が正しく組み立てることに苦戦しました。それでも、参加者たちは驚くべき創造力を発揮しました。主として紙から成る簡単な村のジオラマを作り、ロボットに音声で指示を出すことで、バッテリーに見立てた物体を運ばせることに成功しました。特に凄かったのは、ある班がヘクサポッド・ロボットだけを用いて、バッテリーを守るための球体ケースに見立てたボールを押して転がして、安全に目的地まで運ぶというアイデアを実現させたことでした。
人間の思考に「与えられたゴールに取り組み、困難を乗り越えて達成する型」と「今そこに存在しないものを新たに創造する型」の 2つのパターンがあるとすれば、今回のキャンプでは、参加者たちは前者に課題を抱えながらも、後者にはほとんど訓練を必要とせず卓越していることが改めて明らかになりました。未来の村の電力インフラをゲームとして十分に楽しむには時間が足りなかったため、次回のキャンプでも同じテーマに再チャレンジする予定です。この経験を通して、新たな課題も見えてきました。すなわち、AI やロボットが子どもたちの苦手な部分をどのようにサポートできるか、またその知見をどのように次回以降のキャンプ設計に活かしていくかという点です。




