【活動報告】アカデミーキャンプ VR 2022.8「破天荒エッグを探せ!」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

破天荒ワールドは改善が続けられています
[破天荒ワールドは改善が続けられています]

8月の飛び石連休を利用して、私たちは再び VR (Virtual Reality; 仮想現実) キャンプを開催しました。7月のキャンプでのパイロット版の成功を受けて、今回は「破天荒エッグを探せ!」と題して、みんなで宝のエッグをデザインし、みんなで隠して、みんなで探すということに本格的に挑戦しました。小学2年生からサブリーダーとして手伝ってくれた高専生まで、日本全国から16名のこどもたちが参加してくれました。

これまでに創り上げてきた「破天荒ワールド」をもう一度改めて体験したこどもたちは、さっそく自分たちの手でエッグをデザインすることに取りかかりました。エッグの見た目だけでなく、見つけて「使う」とどうなるかをデザインするのです。最初はオンラインホワイトボードに書き込むペースが遅かったのですが、実際に 3D でエッグの見た目を作り始めると、こどもたちはどんどん奇抜なアイデアを生み出していきました。例えば、「黒いエッグを使うと、寿司だけが引き寄せられるミニブラックホールが発生する」とかです。今回は 3日間のキャンプだったので、エッグにそのような動作をさせるところまでは行きませんでしたが、いずれにせよ、私たちはこれまでいつも半年ほどかけて VR の世界を完成させているのです。だから、制作はこれからも続きます。

大人たちは、2〜3個のエッグをつくって隠すのかなと予想していましたが、最終的にこどもたちがデザインしてワールドに隠したエッグは全部で 23個、しかも、これからもう少し増えるかもしれません。

エッグの隠し場所は 3チームで決めたので、最終日にはチーム対抗でエッグ探しのゲームを行いました。ゲームの細かいルールも、みんなで提案しながら遊びました。計画を立てて、その通りに進めるというキャンプではありませんでしたが、あまり決めごとをしない分、こどもたちは創造力を存分に発揮できたのではないかと思います。

恒例の「部屋にあるものでしりとり」─ 「図鑑」はやめろ!(笑)
[恒例の「部屋にあるものでしりとり」─ 「図鑑」はやめろ!(笑)]
どんな見た目のエッグを創って、どこに隠して、「使う」と何が起きるか
[どんな見た目のエッグを創って、どこに隠して、「使う」と何が起きるか]

マイクラの作業現場はエッグだらけ
[マイクラの作業現場はエッグだらけ]
木が生えてるエッグを見つけた!
[木が生えてるエッグを見つけた!]
制作は続くけど、ひとまずチェックアウト!
[制作は続くけど、ひとまずチェックアウト!]

【活動報告】アカデミーキャンプ VR 2022.7「破天荒ワールドツアー」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

この広大な世界のどこかに宝のエッグを隠して探す
[この広大な世界のどこかに宝のエッグを隠して探す]

7月の 3連休、私たちは招待制の VR (Virtual Reality) キャンプを開催しました。このキャンプには全国から 12名のこどもたちが参加し、3月からみんなで制作してきた「破天荒ワールド」を改めて再びツアーしました。このワールドは、下から順に、精神のフロア、住宅のフロア、水のフロア、生き物のフロア、挑戦のフロア、宇宙のフロアの 6つの階層で構成されています。各フロアは、こどもたちが創った建築物やその他のオブジェクトであふれています。

今回のキャンプでは、このワールドを使ったゲームデザインのパイロット版を試しました。用意したのは、たったひとつの宝のエッグ。それをこの広大なワールドのどこかに隠して、みんなで探すというゲームです。最初は、一番早くエッグを手に入れた人がどこかに隠し、みんなで探し、見つけた人がまたどこかに隠す、という遊び方を試してみました。それでも十分に面白かったです。

次に考えたのが、チーム対抗の遊び方です。こどもたちは2つのチームに分かれ、それぞれ別の「破天荒ワールド」のインスタンスに入り、そこに 1つだけあるエッグを隠し、隠し終わったらもう一方のチームのインスタンスに入り、相手チームが隠したエッグを探しました。こどもたちは、自分たちのチームがエッグをどこに隠すか決めるだけで大はしゃぎ。両チームとも、普通に探したら絶対に見つからないような場所にエッグを隠し、お互いに少しずつヒントを出し合いながら、ようやく相手のエッグを見つけることができました。

今回は実は 8月の活動のテスト版だったのですが、ただ遊ぶだけでなく、ゲームのデザインにも参加することで、みんなが良い感触を得たのではないでしょうか。

みんなの元気度は 0 から 10 のいくつ?
[みんなの元気度は 0 から 10 のいくつ?]
宇宙ステーションで寿司を見つけてつかみ取る
[宇宙ステーションで寿司を見つけてつかみ取る]
2チームの対抗でエッグを隠して探そう!
[2チームの対抗でエッグを隠して探そう!]
水の中にエッグを隠そうとしているところ
[水の中にエッグを隠そうとしているところ]

【参加募集】アカデミーキャンプ VR 2022.8「破天荒エッグを探せ!」

「お探しのモノは見つけにくいモノですか?」← 著作権侵害回避
ええ、とっても見つけにくいところにみんなでお宝を隠して、みんなで探し出す遊びをします!

破天荒なワールドで寿司…ではなくエッグを探せ!
[破天荒なワールドで寿司…ではなくエッグを探せ!]

【開催趣旨】─ 天荒を破る卵を隠そう、そして探そう

「破天荒」という言葉は、もともと「天荒を破る」、すなわち「未開の地に足を踏み入れる」、転じて「これまで誰も成し遂げなかったことを実行する」ことを意味するといいます。

昨年 5月から続けている「アカデミーキャンプ VR」では、キャンプ 1回につきひとつの VR ワールドを公開する目標を掲げて、「惑星アカキャン」にはじまり、月面基地、木星の衛星エウロパ、細胞と免疫の世界など、キャンプの企画 (すなわち大人たちからの発想) で破天荒なワールドを創ってきました。今年 3月の VR キャンプでは、こどもたちからの発想を大切にして、みんなが創りたいもの・観たことがないけど観たいもの・やったことがないけどやりたいことのアイデアを持ち寄って、ゼロからみんなでみんなのワールドを創り出すことを試みました (そのご報告はこちら)。この試みは未だ終わっていません。5月には引き続き「破天荒ワールド」を創りつづけ (そのご報告はこちら)、7月には、今回のキャンプの内容のテストとして、エッグ探しのゲームを実際にやってみました。

今回のキャンプでは、「破天荒エッグ」と呼ばれるオブジェクトの機能をみんなで考え、そしてチーム対抗でエッグを広大な破天荒ワールドのどこかに隠し、そして見つけ出す遊びをします。

ふたたび、誰も見たことのない世界へ。
新たな世界を創るため、もう一度天荒を破る。
さぁ、私たちの破天荒エッグを探そう!

【実施概要】

  • 今回のキャンプは、次の 3種類のパートからなります。
    • Minecraft パート (全年齢対象) … Oculus/Meta パートで使うものづくりをします。
    • Oculus/Meta パート (中学生以上推奨) (VRChat, Workrooms 等を使用) … VR 体験をします。また、VR 会議の中で、3D の専門的なツールを使ったものづくりに間接的に参加します。目の健康上の理由から中学生未満は長時間の使用は推奨されませんが、いずれにせよ VR 酔いする人もいるので Oculus/Meta パートは短めです。また、Oculus/Meta パートの内容は Zoom で中継したり、Workrooms (VR 会議室) の使用の際はパソコンでも参加できますが、VR キャンプの醍醐味ですので、可能な範囲でぜひ Oculus/Meta Quest 2 でご参加ください。
    • Zoom パート (全年齢対象) (miro 等も使用) … アイデアを持ち寄ったり、アイデアを洗練させたり、必要な知識を得たり、計画を立てます。miro (オンラインホワイトボード) を使ったりします。
  • 会期 :
    • 本キャンプ期間 : 2022年8月11日(木・祝), 13日(土), 14日(日) ─ 各日 10:00-12:00, 15:00-17:00 の予定
    • 自主トレ DAY : 2022年8月12日(金)
  • 対象 : 全国の小学1年生〜高校3年生 (20名ほど)

※ 内容は、やや高学年 (小4以上程度) 向けです。低学年 (小4未満程度) の参加にあたっては、兄・姉や保護者が適宜サポートしてあげてください。
※ 各期とも、高校生はサブリーダー (キャンプスタッフをサポートする役目も担う参加者) としての活躍も期待します。

  • 参加費
    • 無料です。
    • 今回は新たな Oculus/Meta Quest 2 の貸し出しを行いません。

【参加方法】

下記のフォームよりご登録ください。
https://forms.gle/hAPsKqNvJvFCZXLh9

上記のフォームが使えない場合は、お子さまのお名前 (ふりがな)、生年月日、学校名・学年、保護者のお名前、保護者のメールアドレス、電話番号、ご住所、「見つけるとどんな破天荒なことが起きるエッグを隠したいか」をご記入の上、info@academy-camp.org 宛てにメールにてお申し込みください。

※ 携帯アドレスでお申し込みの方は、info@academy-camp.org からのメールを受信できるように設定ください。
※ ezweb の場合は上記アドレスからのメールが届かないこともありますので、2日経っても返事がない場合は電話番号を添えてメールにてお問い合わせください。
※ Gmail の場合、上記アドレスからのメールが届きにくくなっています (Gmail の受信ポリシーが厳しくなったためです)。返事がない場合、迷惑メールに振り向けられている場合もございますので、念のためご確認してからお問い合わせください。

実施責任者

  • 斉藤 賢爾
    (早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授 /
    慶應義塾大学 SFC 研究所 上席所員 /
    アカデミーキャンプ代表理事)
  • 南 政樹
    (アカデミーキャンプ理事)

共催

慶應義塾大学 SFC 研究所 パブリックテクノロジーデザインコンソーシアム

【活動報告】アカデミーキャンプ VR 2022.5「続・みんなの破天荒ワールド」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

こどもたちがデザインした宇宙ステーションとコロニー
[こどもたちがデザインした宇宙ステーションとコロニー]

前回となる 3月のキャンプでスタートした、前例のない世界づくりを続けるべく、5月の日本の連休に 3日間の事前トレーニングと 3日間の本番 (プロダクション) から成るバーチャルリアリティ (VR) キャンプを開催しました。福島やその他の地域から、小学 2年生から高校 2年生までの 21名のこどもたちが参加しました。

大人たちは、ボクセルワールド (Minecraft) のオブジェクトを 3Dモデルの調整を経て VR 世界に配置するデモは見せましたが、こどもたちには、当面はボクセルワールドでの制作に集中してもらい、あたかも自動製造機が作品を世界にコピーしてくれることを前提に、自由に制作してもらいました。彼ら・彼女らは 3つのレルム (領域) に分かれ、世界を構成するリアルな、あるいは不思議なものなどを、思い思いに次々と制作していきました。そして、創造物を VR 世界の中にどのように配置し、どのように動かすかを「自動製造機」に指示しました。

こどもたちの創造力によって生み出された世界は、精神世界・宝石・水晶・スライムのフロア、住宅地・ツリーハウス・図書館のフロア、水没都市・水上の城・水中世界など水に関わるフロア、巨大生物のフロア、未来世界・アスレチックのフロア、宇宙のフロアの 6つから成るひとつの VR ワールドに配置されました。

キャンプ期間の終了後も創造は続いています。3つある水の世界は、潜って泳げるようになりました。そこから飛び出した魚が街に降ってくるという、住宅街の設計者が当初からやりたかったことが実現されています。こどもたちは今、落ちてきた魚をどうしようかとチャットで相談しています。今後も、こどもたちのアイデアをもとに、この世界をさらに発展させていくつもりです。これからも天荒を破って、新しい世界を創っていこう!

家にあるものを使ったしりとりで遊ぶ
[家にあるものを使ったしりとりで遊ぶ]
建物の外階段を水が流れ、水に逆らって昇る
[建物の外階段を水が流れ、水に逆らって昇る]
トロッコが各階を駆け回る予定
[トロッコが各階を駆け回る予定]
この火山を海底に置いて!
[この火山を海底に置いて!]
破天荒な世界を創りつづけよう
[破天荒な世界を創りつづけよう]

【参加募集】アカデミーキャンプ VR 2022.5「続・みんなの破天荒ワールド」

「新たな世界を創るため、引き続き天荒を破る!」
アカデミーキャンプでは、5月の連休に、前例のない VR (仮想現実) キャンプをもう一度開催いたします (それって前例あるんじゃ…)。

引き続き、誰も見たことのない世界をみんなで創り上げよう
[引き続き、誰も見たことのない世界をみんなで創り上げよう]

【開催趣旨】
─ 新たな世界を創るため、引き続き天荒を破る!

「破天荒」という言葉は、もともと「天荒を破る」、すなわち「未開の地に足を踏み入れる」、転じて「これまで誰も成し遂げなかったことを実行する」ことを意味するといいます。

昨年 5月から続けている「アカデミーキャンプ VR」では、キャンプ 1回につきひとつの VR ワールドを公開する目標を掲げて、「惑星アカキャン」にはじまり、月面基地、木星の衛星エウロパ、細胞と免疫の世界など、キャンプの企画 (すなわち大人たちからの発想) で破天荒なワールドを創ってきました。今年 3月の VR キャンプでは、こどもたちからの発想を大切にして、みんなが創りたいもの・観たことがないけど観たいもの・やったことがないけどやりたいことのアイデアを持ち寄って、ゼロからみんなでみんなのワールドを創り出すことを試みました (そのご報告はこちら)。この試みは未だ終わっていません。ですので引き続き、体験する人のびっくりした顔を思い浮かべて、楽しくなれ、楽しくなれ、楽しくなれと工夫し、試行錯誤を続けながら、みんなでみんなのワールドを創っていきます。

さあ、誰も見たことのない世界へ。
新たな世界を創るため、引き続き天荒を破る。
人呼んで、続・破天荒ワールド!

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

【実施概要】

  • 今回のキャンプは、次の 3種類のパートからなります。
    • Minecraft パート (全年齢対象) … Oculus/Meta パートで使うものづくりをします。
    • Oculus/Meta パート (中学生以上推奨) (VRChat, Workrooms 等を使用) … VR 体験をします。また、VR 会議の中で、3D の専門的なツールを使ったものづくりに間接的に参加します。目の健康上の理由から中学生未満は長時間の使用は推奨されませんが、いずれにせよ VR 酔いする人もいるので Oculus/Meta パートは短めです。また、Oculus/Meta パートの内容は Zoom で中継したり、Workrooms (VR 会議室) の使用の際はパソコンでも参加できますが、VR キャンプの醍醐味ですので、可能な範囲でぜひ Oculus/Meta Quest 2 でご参加ください。
    • Zoom パート (全年齢対象) (miro 等も使用) … アイデアを持ち寄ったり、アイデアを洗練させたり、必要な知識を得たり、計画を立てます。miro (オンラインホワイトボード) を使ったりします。
  • 会期 :
    • 自主トレ期間 : 2022年4月29日(金・祝), 30日(土), 5月1日(日) ─ 自由参加(時間未定) : Oculus/Meta Quest 2 の使い方の練習や Minecraft での制作
    • 本キャンプ期間 : 2022年5月3日(火・祝), 4日(水・祝), 5日(木・祝) ─ 各日 10:00-12:00, 15:00-17:00
  • 対象 : 全国の小学1年生〜高校3年生 (20名ほど)

※ 内容は、やや高学年 (小4以上程度) 向けです。低学年 (小4未満程度) の参加にあたっては、兄・姉や保護者が適宜サポートしてあげてください。
※ 各期とも、高校生はサブリーダー (キャンプスタッフをサポートする役目も担う参加者) としての活躍も期待します。

  • 参加費
    • Oculus/Meta パートがありますので、ぜひ Oculus/Meta Quest 2 (Wi-Fi があれば使えるオールインワン VR ヘッドセット) をご用意ください。その方法によって費用が異なります。
    • Oculus/Meta Quest 2 を持っている or すでに貸与されている or Oculus/Meta パートは地上要員として (Zoom で中継を見るなどして) 参加する → 無料
    • その他の場合で Oculus/Meta Quest 2 の長期貸与を希望する → 5,000円

【参加方法】

下記のフォームよりご登録ください。
https://forms.gle/pga4JMFrP4pjay3F9

上記のフォームが使えない場合は、お子さまのお名前 (ふりがな)、生年月日、学校名・学年、保護者のお名前、保護者のメールアドレス、Oculus/Meta Quest 2 貸与希望の有無、電話番号、ご住所、「つくりたいワールド (できるだけ具体的に)」をご記入の上、info@academy-camp.org 宛てにメールにてお申し込みください。

※ 携帯アドレスでお申し込みの方は、info@academy-camp.org からのメールを受信できるように設定ください。
※ ezweb の場合は上記アドレスからのメールが届かないこともありますので、2日経っても返事がない場合は電話番号を添えてメールにてお問い合わせください。
※ Gmail の場合、上記アドレスからのメールが届きにくくなっています (Gmail の受信ポリシーが厳しくなったためです)。返事がない場合、迷惑メールに振り向けられている場合もございますので、念のためご確認してからお問い合わせください。

実施責任者

  • 斉藤 賢爾
    (早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授 /
    慶應義塾大学 SFC 研究所 上席所員 /
    アカデミーキャンプ代表理事)
  • 南 政樹
    (アカデミーキャンプ理事)

共催

慶應義塾大学 SFC 研究所 パブリックテクノロジーデザインコンソーシアム

【活動報告】アカデミーキャンプ VR 2022.3「キミが創る!みんなの破天荒ワールド」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

未だ開拓中の破天荒ワールドで遊ぶ
[未だ開拓中の破天荒ワールドで遊ぶ]

私たちは、3月の連休に、またもや 3日間の VR(バーチャルリアリティ; 仮想現実)キャンプを開催しました。今回は、こどもたち一人ひとりが、どんな VR の世界を創るかを自分たちで決めました。小学 1年生から高校 1年生まで、14名のこどもたちがこのエキサイティングな試みに参加してくれました。

まずは、事前に聞いていた「みんなが創りたい破天荒な世界」のイメージをより詳細にしていきながら、各種 VR アプリやオンラインホワイトボードなどのツールの使い方を確認しました。VR 会議室では、どんな世界を創るつもりか、みんなの口から聞きたかったのですが、みんなは勝手に会議室の構成を変えて遊び始めました。アカデミーキャンプのポリシーとして、大人がこどもたちに知識を下げ渡すだけの時間は決して作りません。そのため、講師以外の全員が正面を向いて座る「講義型」の会議室は決して使わないはずだったのですが、こどもたちが勝手にその設定に変えてしまったのです。理由は、正面のホワイトボードが誰からも見やすく、お絵描きに最適だったからです!(こどもたちが手元の机で絵を描くと、正面のホワイトボードにそれが反映されます。) こどもたちが熱心に絵を描く時間はとても貴重だと思ったので、そのままにしておきました。

その甲斐があってか、こどもたちは「前例のない」世界の要素を創り始めると、その才能を存分に発揮して、不思議なもの、素晴らしいもので世界を埋め尽くしていきました。巨大な怪物とその巣、飛び跳ねるスライム、突然現れる水路、とてつもなく高いツリーハウス、大きな子猫、おもちゃの線路、夏が似合う家、巨大な樹木、カラフルな階段と世界の境界。この世界を創り続けることを約束して、この短いキャンプは終了しました(ですので、キャンプからチェックアウトしたわけでは未だありません)。破天荒な世界を作るための良いスタートが切れたと思います。

少しずつ、お助けください

GlobalGivingの「April 2022 Little by Little (少しずつ)」キャンペーンは、日本時間 4月4日(月) 13:00 から 4月9日(土) 12:59 まで開催されます。このキャンペーンでは、1団体につきおひとり 50米ドルまでのご寄付を対象に、寄付額に 50%の上乗せが行われます。この機会に、ぜひ GlobalGiving のプロジェクトにご寄付をいただき、地球上のすべてのこどもたちが自ら明るい未来を切り拓けるよう、ご支援をお願いいたします。そして可能なら、福島のこどもたちや日本全国のこどもたちとアカデミーキャンプへのご支援を賜れれば幸いです。

アカデミーキャンプの GlobalGiving プロジェクトページ : https://www.globalgiving.org/projects/academy-camp/

未知の世界の創造にチェックイン!
[未知の世界の創造にチェックイン!]
VR 会議で世界の創り方をおさらいする
[VR 会議で世界の創り方をおさらいする]
破天荒な建物を創る
[破天荒な建物を創る]
破天荒な生きもの?を創る
[破天荒な生きもの?を創る]
世界は未だ創り途中だ
[世界は未だ創り途中だ]

【参加募集】アカデミーキャンプ VR 2022.3「キミが創る!みんなの破天荒ワールド」

「新たな世界を創るため、天荒を破る!」
アカデミーキャンプでは、3月の 3連休に、前例のない VR (仮想現実) キャンプを開催いたします。ふるってご参加ください!

マイクラで部品を創って VR ワールドで動かそう!
[マイクラで部品を創って VR ワールドで動かそう!]

【開催趣旨】
─ 新たな世界を創るため、天荒を破る!

「破天荒」という言葉は、もともと「天荒を破る」、すなわち「未開の地に足を踏み入れる」、転じて「これまで誰も成し遂げなかったことを実行する」ことを意味するといいます。

思えば、昨年 5月から続けているアカデミーキャンプ VR では、「幼年期の終り」にインスパイアされた「惑星アカキャン」にはじまり、月面基地、みんながデザインした地球外生物が泳いでいる木星の衛星エウロパ、免疫系の働きを表現し、かつ eスポーツ/シリアスゲームでもある細胞ワールドなど、いつも破天荒なワールドを創ってきました。でもそれらは、アカデミーキャンプが大体何をやるかを発案し、みんなで具体化して創ったワールドでした。アカキャンがゼロを 1 にして、その 1 をみんなが膨らませて世界を拡げていったのです。

今度は、みんながゼロからワールドを創り出す番です。みんなが創りたいもの・観たことがないけど観たいもの・やったことがないけどやりたいことのアイデアを持ち寄りましょう。アカキャンは、それがカタチになって新しい世界として結実していくのをお手伝いします。おそらく、このキャンプの 3日間の会期では完成には到達できないでしょう。ですがスタートすることに意義があります。細胞ワールドがそうだったように、そこから少しずつ、一歩一歩、みんなが思い描くワールドに近づけていきましょう。

さあ、みんなが夢見る、新しいワールドへ。
新たな世界を創るため、天荒を破る。人呼んで、破天荒ワールド!!

【実施概要】

  • 今回のキャンプは、次の 3種類のパートからなります。
    • Minecraft パート (全年齢対象) … Oculus パートで使うものづくりをします。
    • Oculus パート (中学生以上推奨) (VRChat, Workrooms 等を使用) … VR 体験をします。また、VR 会議の中で、3D の専門的なツールを使ったものづくりに間接的に参加します。目の健康上の理由から中学生未満は長時間の使用は推奨されませんが、いずれにせよ VR 酔いする人もいるので Oculus パートは短めです。また、Oculus パートの内容は Zoom で中継したり、Workrooms (VR 会議室) の使用の際はパソコンでも参加できますが、VR キャンプの醍醐味ですので、可能な範囲でぜひ Oculus でご参加ください。
    • Zoom パート (全年齢対象) (miro 等も使用) … アイデアを持ち寄ったり、アイデアを洗練させたり、必要な知識を得たり、計画を立てます。miro (オンラインホワイトボード) を使ったりします。
  • 会期 : 2022年3月19日(土), 20日(日), 21日(月・祝)
  • 対象 : 全国の小学1年生〜高校3年生 (20名ほど)

※ 内容は、やや高学年 (小4以上程度) 向けです。低学年 (小4未満程度) の参加にあたっては、兄・姉や保護者が適宜サポートしてあげてください。
※ 各期とも、高校生はサブリーダー (キャンプスタッフをサポートする役目も担う参加者) としての活躍も期待します。

  • 参加費
    • Oculus パートがありますので、ぜひ Oculus Quest 2 (Wi-Fi があれば使えるオールインワン VR ヘッドセット) をご用意ください。その方法によって費用が異なります。
    • 現在、福島県に住んでいるか 2011年3月に住んでいた人で、Oculus Quest 2 の長期貸与を希望する → 無料 (先着約10名まで) (「東京電力福島第一原子力発電所事故被災者応援金」を使用します)
    • Oculus Quest 2 を持っている / すでに貸与されている / Oculus パートは地上要員として (Zoom で中継を見るなどして) 参加する → 無料
    • その他の場合で Oculus Quest 2 の長期貸与を希望する → 5,000円

【参加方法】

下記のフォームよりご登録ください。
https://forms.gle/U2veVUcBapbTxnt76

上記のフォームが使えない場合は、お子さまのお名前 (ふりがな)、生年月日、学校名・学年、保護者のお名前、保護者のメールアドレス、Oculus Quest 2 貸与希望の有無、電話番号、ご住所、「つくりたいワールド (できるだけ具体的に)」をご記入の上、info@academy-camp.org 宛てにメールにてお申し込みください。

※ 携帯アドレスでお申し込みの方は、info@academy-camp.org からのメールを受信できるように設定ください。
※ ezweb の場合は上記アドレスからのメールが届かないこともありますので、2日経っても返事がない場合は電話番号を添えてメールにてお問い合わせください。
※ Gmail の場合、上記アドレスからのメールが届きにくくなっています (Gmail の受信ポリシーが厳しくなったためです)。返事がない場合、迷惑メールに振り向けられている場合もございますので、念のためご確認してからお問い合わせください。

実施責任者

  • 斉藤 賢爾
    (早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授 /
    慶應義塾大学 SFC 研究所 上席所員 /
    アカデミーキャンプ代表理事)
  • 南 政樹
    (アカデミーキャンプ理事)

共催

慶應義塾大学 SFC 研究所 パブリックテクノロジーデザインコンソーシアム

助成

  • パルシステム生活協同組合連合会 東京電力福島第一原子力発電所事故被災者応援金

【活動報告】アカデミーキャンプ VR 2022.2「細胞世界の総まとめ」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

それではeスポーツの試合をはじめよう
[それではeスポーツの試合をはじめよう]

前回のレポートで報告したハッカソン以降も開発を続けてきた細胞の世界 “Academy Camp VR Cells” は、こどもたちと一緒にデザインした最大の細胞マクロファージ (全長500メートル) も組み込まれ、ようやく完成と言える水準になってきました。

抗体銃でウイルスを狙って撃つところなど、この仮想現実の世界があまりにもゲーム的なので、ちゃんとしたeスポーツにしようということになり、その目的の達成のために、2月11日、12日、13日の 3連休に、招待制の VRキャンプを開催しました。過去に私たちの VRキャンプに参加したことがあるこどもたちを招待しました。

1日目の課題は、この細胞の世界を eスポーツとして定義することでした。これは免疫の仕組みを体験的に学ぶシリアスゲームでもありますから、ウイルスを撃ち落とすところがあるからといって、シューティングゲームにはできません。破壊したウイルスの数を得点にしてしまったら、ウイルスが細胞に感染すればするほど、破壊できるウイルスの数が増えてしまい、宿主の健康を守るためのゲームではなくなってしまいます。この難問に、今回の VRキャンプに参加した小学生の女子は明快な答えを出してくれました。「これは参加するゲーム (参加ゲー) です。」そこで、細胞の世界に散らばった「名所」を回るとポイントがもらえる仕組みや、ウイルスの累積数、一度に存在するウイルスの最大数、現在のウイルス数はすべて最小である方がよいというルールを設定しました。

2日目にはこのアイデアをもとにしたテストゲームを行い、3日目にはワールドの中にスコアボードを設置し、実際にeスポーツとしての試合を行いました。といっても参加人数が少ないため 1チームでの試合となりましたが、非常に良いチームワークで臨むことができました。世界初の試みですから、どんなスコアでも世界新記録になったというわけです。みんなで一つの世界を創り上げ、目標を達成したという実感がありました。

1日目には、細胞ワールドの他に「アカキャン雪まつり」ワールドもみんなで一緒に訪問しました。これは「V雪」、すなわち「バーチャル雪まつり2022」に参加するために有志で創ったワールドです。「V雪」は、COVID-19 の蔓延により今年も現地開催が中止された「さっぽろ雪まつり」の公認イベントにもなりました。

eスポーツ化のチャレンジのはじまり
[eスポーツ化のチャレンジのはじまり]
彼女の貢献により、これは「参加ゲー」である、と定義された
[彼女の貢献により、これは「参加ゲー」である、と定義された]
アカキャン雪まつりの会場にも行ったよ!
[アカキャン雪まつりの会場にも行ったよ!]
抗体を散布して足下の細胞を感染から守れ!
[抗体を散布して足下の細胞を感染から守れ!]
最初の試合を終えたスコアはこんな感じ
[最初の試合を終えたスコアはこんな感じ]

【活動報告】アカデミーキャンプ VR 2021.12「細胞世界とハッカソン」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

ハッカソン会場でみんなで遊ぶ
[ハッカソン会場でみんなで遊ぶ]

昨年12月、私たちは 9月から作り始めた細胞ワールドの完成を目指してハッカソンを開催しました。この催しは、電子音楽と映像アートの祭典 MUTEK.JP の東京でのイベントの一環として開催され、私たちアカデミーキャンプのほか、日本大学の航空宇宙工学科の学生たちによる VR 宇宙旅行プロジェクトも同時にハッカソンを開催しました。

この細胞ワールド “Academy Camp VR Cells” では、人体の免疫系の仕組みを体験的に学ぶことができます。参加したこどもたちと大人たちは、11月からこの世界における赤血球、好中球、B細胞、抗体などのキャラクター (?) を Minecraft でモデリングしていました。

東京の渋谷で開催されたハッカソンイベントには、残念ながら福島からの参加者たちは物理的に来られませんでしたが、首都圏のアカデミーキャンプ VR の仲間たちが初めて物理的に集合しました。まだ作りかけの世界で遊んでみると、抗体を撃ち出す抗体銃の動作が、デザインした中学生の意図とは異なっていることがわかり、みんなで VR の会議室に入り、再設計を行いました。リアルタイムで本当にみんなで一緒に VR の世界を構築できたのは、ほぼ初めてだったので、とてもいい経験になりました。

この時点では、まだこの世界は完成していませんでした。次回の報告でご紹介するように、この一大プロジェクトは、その後 2カ月かけてようやく完成に近づいたのです。

細胞世界の登場人物(?)たちについて話す
[細胞世界の登場人物(?)たちについて話す]
真剣な表情で何を見ている?
[真剣な表情で何を見ている?]
VR 会議室に入ってみんなで話す
[VR 会議室に入ってみんなで話す]
抗体銃が意図通りの動作になった
[抗体銃が意図通りの動作になった]
毛細血管の中から見た風景
[毛細血管の中から見た風景]

【お礼とメッセージ】新年のご挨拶

トラんすふぉーむ!
[トラんすふぉーむ!]

アカデミーキャンプより、謹んで新春のお慶びを申し上げます。いつもご支援、誠にありがとうございます。

今日、世界は西暦2022年を迎えました。1867年に江戸幕府が倒れてから100年も経たないうちに生まれたアカキャン責任者(昭和真っ只中の生まれ)からしたら、SF の世界のようです。

まずは、SF の世界を現実に創り上げながらこれからを生きていくこどもたちにお祝いを申し上げます。
YOU ARE LUCKY!

旧年中開催した「アカデミーキャンプ VR」のシリーズでみんなが体験した月面基地、月周回軌道ドック、木星、その衛星エウロパ、その氷の殻の下の全球の海、そして細胞ワールドといった世界のいくつかは、みんなが生きているうちに実際に見聞きすることでしょう。みんなはそのための訓練を積んでいるとも言えるのです。訓練は実戦の如く、実戦は訓練の如く。

え?でも世の中は未だ昭和のままみたいだって?キミ、なかなか鋭いね。でも世代交代は着実に進んでいます。駄目な大人の言動の駄目な部分が、はっきり駄目だと認められるようになってきました。社会の古い部分と、新しい部分がぶつかるようになったのは、新しい部分が勢いを増しているからでしょう。コロナ禍は、そのことをある点では加速しました。アカデミーキャンプ VR も、それが誕生できた理由のひとつは感染症のパンデミックです。人と社会には、危機を乗り越えていく知恵があります。

さあ、ここからが正念場です。社会は変えられる。そのために、まず自分が変わる。惑星アカキャンをかたちづくるのはキミたちの夢と意思です。

エウロパの氷の殻ならぬ自分の殻を破って「トラんすふぉーむ!」

2022年1月1日 アカデミーキャンプの仲間たちを代表して