【活動報告】アカデミーキャンプ 2021夏 VR 第2期 “PREFAB THE WORLDS”

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

月面の VR 会場の中のホールに集う
[月面の VR 会場の中のホールに集う]

それではアカデミーキャンプ 2021夏 VR 第2期 “PREFAB THE WORLDS ” を振り返りましょう。この VR(バーチャルリアリティ)キャンプは 2021年8月7日〜9日の 3日間で開催され、福島県をはじめとする全国から 14名の子どもたちがオンラインで参加しました。

7月のキャンプでは、月の地下の溶岩チューブの広大な空間に 2030年代をイメージした月面基地を作りました。8月のキャンプは、その 10年後の月面が舞台です。空洞には透明な蓋がされ、空気で満たされた空間は緑と光であふれました。この新しいVR ワールド「アカデミーキャンプ VR 会場 (Venue)」は、みんなの遊び場として作られました。ここは、テスト用の宇宙船を組み立てる場所でもあります。宇宙船は、みんなで木星の衛星エウロパに行って着陸し、地球外生命の探査をするために建造します。

どんな宇宙船を作ってみんなで乗り込むか、いろいろな意見が出てまとまらず、多数決で決まりそうになりました。しかし、私たちはそれに反対しました。これは VR の中のフィクションですが、もし現実だったら、みんなが自分の命をかけて乗り込み、冒険するための宇宙船です。自分の命がかかっていて、自分たちの選択の帰結は最終的には物理法則に従うと分かっているのに、「こっちがいい」と思う人が多いからといって、設計を決めてしまっていいのでしょうか?この問いを胸に抱きながら、みんなはマインクラフトに用意された作業スペースで思い思いの宇宙船を試作し始めました。

2日目は、会場のドックに仮置きされた様々な宇宙船の中に全員で入り、思った通りに作れたかどうかを確認しました。その結果、木星に行く宇宙船が満たすべき仕様を考え、チェックリストを作り、その仕様を満たしていることを確認しながら設計を進めたほうがいいということになりました。そこで、みんなで何が大事なのかを考え、チェックリストを作りました。

また、NASA の「エウロパ・クリッパー」プロジェクトの動画やインフォグラフィックを見ることを通して、エウロパについて学びました。エウロパは地球の月より少し小さい、木星の衛星ですが、表面の氷の殻の奥には、地球全体の海の2倍以上の水の量を持つ全球の海があります。地球では、水があるところには生命が存在します。だとしたら…エウロパにも生命は存在するのでしょうか?それをみんなで探検するのです!

3日目は、マインクラフトを使って、エウロパの海に棲む生物たちをみんなでデザインしました。その後も、宇宙船とそこから分離する着陸船の設計が続きました。最終的には 2つの大きな宇宙船ができあがりましたが、その過程でたくさんの「使われないデザイン」が生まれました。そのどれもが素晴らしいものばかりです!

宇宙船の設計は第3期のキャンプに引き継がれますが、この第2期のキャンプが終わった後、会場 (Venue) でスタッフによるふりかえりの会が行われ、そこにはこどもたちも乱入して大いに盛り上がりました。

みんなの元気は?指の数で教えて!
[みんなの元気は?指の数で教えて!]
VR をエンジョイ中
[VR をエンジョイ中]
試作した宇宙船をレビューする
[試作した宇宙船をレビューする]
身体の柔軟性にチャレンジする遊び
[身体の柔軟性にチャレンジする遊び]
"使われなかったデザイン" の完成度に目を見張る
[“使われなかったデザイン” の完成度に目を見張る]