【活動報告】アカデミーキャンプ VR 2021.12「細胞世界とハッカソン」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

ハッカソン会場でみんなで遊ぶ
[ハッカソン会場でみんなで遊ぶ]

昨年12月、私たちは 9月から作り始めた細胞ワールドの完成を目指してハッカソンを開催しました。この催しは、電子音楽と映像アートの祭典 MUTEK.JP の東京でのイベントの一環として開催され、私たちアカデミーキャンプのほか、日本大学の航空宇宙工学科の学生たちによる VR 宇宙旅行プロジェクトも同時にハッカソンを開催しました。

この細胞ワールド “Academy Camp VR Cells” では、人体の免疫系の仕組みを体験的に学ぶことができます。参加したこどもたちと大人たちは、11月からこの世界における赤血球、好中球、B細胞、抗体などのキャラクター (?) を Minecraft でモデリングしていました。

東京の渋谷で開催されたハッカソンイベントには、残念ながら福島からの参加者たちは物理的に来られませんでしたが、首都圏のアカデミーキャンプ VR の仲間たちが初めて物理的に集合しました。まだ作りかけの世界で遊んでみると、抗体を撃ち出す抗体銃の動作が、デザインした中学生の意図とは異なっていることがわかり、みんなで VR の会議室に入り、再設計を行いました。リアルタイムで本当にみんなで一緒に VR の世界を構築できたのは、ほぼ初めてだったので、とてもいい経験になりました。

この時点では、まだこの世界は完成していませんでした。次回の報告でご紹介するように、この一大プロジェクトは、その後 2カ月かけてようやく完成に近づいたのです。

細胞世界の登場人物(?)たちについて話す
[細胞世界の登場人物(?)たちについて話す]
真剣な表情で何を見ている?
[真剣な表情で何を見ている?]
VR 会議室に入ってみんなで話す
[VR 会議室に入ってみんなで話す]
抗体銃が意図通りの動作になった
[抗体銃が意図通りの動作になった]
毛細血管の中から見た風景
[毛細血管の中から見た風景]

【活動報告】Maker Faire Tokyo 2021 でのアカデミーキャンプ VR

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

月面基地で月の石を掴む
[月面基地で月の石を掴む]

本レポートでは、10月にオンラインで開催された「Maker Faire Tokyo 2021」におけるアカデミーキャンプ VR の出展内容をご紹介します。

この Maker たちの祭典で、今回、アカデミーキャンプ VR は、動画を用いた 5分間のミニプレゼンと、ソーシャルメディアでの活動紹介、そして YouTube Live にて、アカデミーキャンプ VR とそのメンバーたちが創ってきたワールドをみんなで巡って探検しました。探検したワールドは、3D ペイントした「惑星アカデミーキャンプ」、2030年代を想定した初期の月面基地をイメージした “Academy Camp VR Moon”、すべての VR キャンプのメイン会場として制作し、2040年代の月面基地をイメージした “Academy Camp VR Venue”、木星の衛星エウロパに生命の探査に行き、帰ってくる “Academy Camp VR Europa”、そしてまだまだ構築中の、身体の免疫システムを巨大なスケールで表現する細胞ワールド “Academy Camp VR Cells” です。

たくさんのワールドを創ってきましたが、まだまだこれからも創りつづけます!なぜなら、自分たちで創ることで初めて、私たちは物事を本当の意味で理解するのだと考えるからです。自分たちで創ってきたワールドを巡ったあと、私たちは再会を約束して、今年の私たちの Maker Faire Tokyo は幕を下ろしました。

GIVING TUESDAY にアカデミーキャンプにご支援を!

GlobalGiving の 2021年の GivingTuesday キャンペーンは、日本時間の 11月30日(火) 14:00:00 から 12月1日(水) 13:59:59 まで、24時間に渡って開催されます。GlobalGiving は、このために 100万ドルの奨励基金を用意します。それがキャンペーン期間中の最終的な募金総額に応じて、アカデミーキャンプやその他のプロジェクトに比例して配分されます。このまたとない機会に、福島のこどもたち、日本中のこどもたち、そしてアカデミーキャンプへのさらなるご支援を賜れれば幸いです。

GlobalGiving のアカデミーキャンプのページ : https://www.globalgiving.org/projects/academy-camp/

こどもたちと創ってきたその他のワールドへのポータル
[こどもたちと創ってきたその他のワールドへのポータル]
木星の衛星エウロパの氷の殻に着陸
[木星の衛星エウロパの氷の殻に着陸]
月周回軌道上の宇宙ドックで戯れる
[月周回軌道上の宇宙ドックで戯れる]
まだ構築途上の免疫系細胞ワールド
[まだ構築途上の免疫系細胞ワールド]
また会う日まで (その日は近いよ!)
[また会う日まで (その日は近いよ!)]

【活動報告】アカデミーキャンプ VR 2021.9「キミが探る!驚異の現代&近未来医療」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

宇宙医学を研究する瀧澤医師と
[宇宙医学を研究する瀧澤医師と]

それでは、アカデミーキャンプ VR 2021.9 を振り返ってみましょう。「キミが探る!驚異の現代&近未来医療」と名づけられたこの VR (virtual reality) キャンプは、2021年9月18日から20日までの3日間、開催されました。こキャンプには、福島をはじめ全国から 13名のこどもたちがオンラインで参加しました。

初日の午前中は、Zoom に集合して場を温めた後、様々な CG 映像と解説を通して、新型コロナウイルスと mRNA ワクチンについて学びました。小中学生の多くは、ウイルスが人間の細胞の RNA 転写やタンパク質合成の仕組みを利用して増殖すること、そしてそれに対抗する mRNA ワクチンはウイルスと同じ戦略で、人間の細胞の仕組みを利用してウイルスのスパイクタンパク質を合成することに驚きました。私たちの多くにとって、二重の驚きだったと思います。

午後からは、VR の世界を探検しました。参加者の中には VR が初めての人もいたので、VRChat の入り方をじっくりと学んだ後、月の地下にある「アカデミーキャンプ VR 会場」で、宇宙で怪我や病気になったときのことを考えてみました。会場のホール脇には簡易な実験施設が設置されており、点滴のような基本的なことでも地球の重力環境に依存していて、月面ではとんでもない高さから液を落とさないと静脈に入らないということを、実演を交えて学びました。

2日目の午前中は、実際にファイザー社のワクチンのコードをほとんど一文字ずつ読んでいきました。まずはおさらいとして、DNA から RNA への転写、そして RNA にコード化された情報からタンパク質が合成されるまでを、DNA の構造や複製の仕組みから詳しく見ていきました。CG 映像のインパクトが強かったため、そこに登場する動く物体を気持ち悪いと感じながらも、夢中になって観ていたこどもたちが多かったようです。ファイザー社のワクチンのコードを読んで mRNA の構造を詳しく学んだことで、こどもたちは初日に簡単に紹介された新型コロナウイルスの構造を示す図を読み取ることさえもできるようになりました。

2日目の午後から 3日目の午前中にかけては、VR 細胞ワールドの登場人物(?)たちを 3Dペイントしました。私たちは「免疫細胞のネットワークを描くグループ (大体ミクロン単位、VR 細胞ワールドでは数十〜数百メートル)」と「細胞の中の工場を描くグループ (大体ナノメートル単位、VR 細胞ワールドでは数センチ)」の 2つのグループに分かれ、さまざまな細胞、DNA、RNA、酵素などを描きました。

3日目の午後は、宇宙医学を研究されている医師の瀧澤先生をお招きして、人々が宇宙で生活する上で必ず問題になる宇宙での医療について話し合いました。また、宇宙医学に限らず、私たちの身体に関するさまざまな疑問 (再生医療など) についても話し合いました。先生は「小中学生と話す機会はほとんどないんです」とニコニコしながら仰っていて、一緒に楽しい時間を過ごすことができました。

最後のクロージングセッションは、空からウイルスが降ってくるという、まだ制作途中の VR 細胞ワールドで行われました。一人ずつキャンプの感想を語った後、ジャンプして視界から消えるという謎のマナーが自然発生的に生まれました! (ジャンプなので、各々しばらくすると降りてきました。) そしてウイルスたちと記念の (^^;) 集合写真を撮って、3日間の短い VR キャンプは終了しました。

それから何日かして、中学生の参加メンバーが「『現代&近未来医療』の後半は?いつやるの」と聞いてきました。だよね!何しろ、VR 細胞ワールドは、まだ構築途中なのだから、また集まって一緒に世界を作る時間を持つのもいいですね。

Giving Tuesday が近づいてきました

米国東海岸時間 11月30日(火) 12:00am (日本時間 翌12月1日(水) 14:00) から開催される GlobalGiving の #GivingTuesday キャンペーンにぜひご参加ください!みなさまからのご支援が、アカデミーキャンプと福島のこどもたち、そして全国のこどもたちのさらなる冒険を助けます。

月面での点滴をデモするための装置
[月面での点滴をデモするための装置]
誰もが DNA の複製の仕方を知っているふりをしている
[誰もが DNA の複製の仕方を知っているふりをしている]
DNA とその複製の様子を 3D ペイントする
[DNA とその複製の様子を 3D ペイントする]
作りかけの細胞ワールドでの記念写真
[作りかけの細胞ワールドでの記念写真]
キャンプ終了!みんなは他の VR ワールドへ遊びに出かけた
[キャンプ終了!みんなは他の VR ワールドへ遊びに出かけた]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2021夏 VR “ALL THESE WORLDS ARE YOURS”

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている 英文のレポートを日本語に訳したものです。

冒険のミッションにリモートで参加する
[冒険のミッションにリモートで参加する]

今回は、アカデミーキャンプ 2021夏 VR 第3期 “ALL THESE WORLDS ARE YOURS ” を振り返ってみましょう。このキャンプは 2021年8月13日〜15日の3日間の開催でした。この VR(バーチャルリアリティ)キャンプには、福島をはじめ、全国から 15名のこどもたちがオンラインで参加しました。こどもたちは前回のキャンプ終了後の 3日間も VR ものづくりに取り組んだので、合わせてアカデミーキャンプ史上最長の 9日間のキャンプだったとも言えます。

月面の地下基地「アカデミーキャンプ VR Venue (会場)」のドックには、今回のキャンプ開始前にこどもたちがマインクラフトでデザインした巨大な宇宙船が 2隻、配備されました。しかし、実際に中に入ってみると、まだまだ修正すべき点がありました。宇宙船の改良は続きます。

一方、ミッションに向けたトレーニングも続きました。この危険な冒険ミッションを完遂し、生き延びるためのチームワークをさらに養うために、私たちの即興劇の師 (ロクディムのヒロシさん) を迎え、即興で物語を紡いだり、バディ(一緒に行動する 2人組) で一緒に Venue の中を歩き (跳び)、お互いのお気に入りの場所を紹介することもしました。トレーニングの最後は、ドックで 2隻の宇宙船の (通常エンジンの) 推進をテストすることでした。ほんの 10メートルだけ前に進み、後ろに戻るだけですが、私たちが創った宇宙船が実際に動いたのです!

そして、いよいよ木星圏に向けて出発することになりました。木星に到達するためのワープ技術を搭載した 2隻の宇宙船は、月の周回軌道上の宇宙ドックに配備されました。残念ながら着陸船の実装は間に合いませんでしたが、それぞれの宇宙船のコックピットには、ワープ技術を使って乗組員をエウロパの地表に「ビームダウン」させる装置が取り付けられました。なので、誰もがエウロパに降り立つことができたのです。この記念すべき日に、アベルこと日本大学理工学部航空宇宙工学科の阿部新助先生もお招きし、一緒に木星に向かいました。

最終日の午前中の 1回目のトライでは、木星圏にワープしてもすぐに月に戻ってしまったり、バディとはぐれてしまったりと様々なトラブルが発生しましたが、午後のトライでは徐々に改善されていきました。

そして、エウロパの氷の殻の下の海 (現実には数キロメール下) では、みんなは自分たちがデザインした巨大な生物が佇んだり、泳いだりしているのを目撃しました。今日、人類は初めて木星に着きました。Zoom に戻ってきたみんなは、感想を語り合い、この夏の VR アドベンチャーは幕を閉じました。

後日、着陸船も実装されました。参加者の中には、夏休みを利用してエウロパに旅行した人もいるようですね!

アカデミーキャンプ VR Venue (会場) (VRChat ワールド)
─ ここからすべてのアカキャン VR ワールドに行けます ─
https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_ad05e7c3-5370-4711-a846-786f96406011

Giving Tuesday が近づいてきました

米国東海岸時間 11月30日(火) 12:00am (日本時間 翌12月1日(水) 14:00) から開催される GlobalGiving の #GivingTuesday キャンペーンにぜひご参加ください!みなさまからのご支援が、アカデミーキャンプと福島のこどもたち、そして全国のこどもたちのさらなる冒険を助けます。

チームが大事、だからチームづくりを
[チームが大事、だからチームづくりを]
こどもたちが創った宇宙船から見える木星とエウロパ
[こどもたちが創った宇宙船から見える木星とエウロパ]
今日、人類とバターが初めて木星に着いた
[今日、人類とバターが初めて木星に着いた]
こどもたちがデザインした巨大海洋生物に出会おう
[こどもたちがデザインした巨大海洋生物に出会おう]
エウロパとこの宇宙キャンプからチェックアウト!
[エウロパとこの宇宙キャンプからチェックアウト!]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2021夏 VR 第2期 “PREFAB THE WORLDS”

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

月面の VR 会場の中のホールに集う
[月面の VR 会場の中のホールに集う]

それではアカデミーキャンプ 2021夏 VR 第2期 “PREFAB THE WORLDS ” を振り返りましょう。この VR(バーチャルリアリティ)キャンプは 2021年8月7日〜9日の 3日間で開催され、福島県をはじめとする全国から 14名の子どもたちがオンラインで参加しました。

7月のキャンプでは、月の地下の溶岩チューブの広大な空間に 2030年代をイメージした月面基地を作りました。8月のキャンプは、その 10年後の月面が舞台です。空洞には透明な蓋がされ、空気で満たされた空間は緑と光であふれました。この新しいVR ワールド「アカデミーキャンプ VR 会場 (Venue)」は、みんなの遊び場として作られました。ここは、テスト用の宇宙船を組み立てる場所でもあります。宇宙船は、みんなで木星の衛星エウロパに行って着陸し、地球外生命の探査をするために建造します。

どんな宇宙船を作ってみんなで乗り込むか、いろいろな意見が出てまとまらず、多数決で決まりそうになりました。しかし、私たちはそれに反対しました。これは VR の中のフィクションですが、もし現実だったら、みんなが自分の命をかけて乗り込み、冒険するための宇宙船です。自分の命がかかっていて、自分たちの選択の帰結は最終的には物理法則に従うと分かっているのに、「こっちがいい」と思う人が多いからといって、設計を決めてしまっていいのでしょうか?この問いを胸に抱きながら、みんなはマインクラフトに用意された作業スペースで思い思いの宇宙船を試作し始めました。

2日目は、会場のドックに仮置きされた様々な宇宙船の中に全員で入り、思った通りに作れたかどうかを確認しました。その結果、木星に行く宇宙船が満たすべき仕様を考え、チェックリストを作り、その仕様を満たしていることを確認しながら設計を進めたほうがいいということになりました。そこで、みんなで何が大事なのかを考え、チェックリストを作りました。

また、NASA の「エウロパ・クリッパー」プロジェクトの動画やインフォグラフィックを見ることを通して、エウロパについて学びました。エウロパは地球の月より少し小さい、木星の衛星ですが、表面の氷の殻の奥には、地球全体の海の2倍以上の水の量を持つ全球の海があります。地球では、水があるところには生命が存在します。だとしたら…エウロパにも生命は存在するのでしょうか?それをみんなで探検するのです!

3日目は、マインクラフトを使って、エウロパの海に棲む生物たちをみんなでデザインしました。その後も、宇宙船とそこから分離する着陸船の設計が続きました。最終的には 2つの大きな宇宙船ができあがりましたが、その過程でたくさんの「使われないデザイン」が生まれました。そのどれもが素晴らしいものばかりです!

宇宙船の設計は第3期のキャンプに引き継がれますが、この第2期のキャンプが終わった後、会場 (Venue) でスタッフによるふりかえりの会が行われ、そこにはこどもたちも乱入して大いに盛り上がりました。

みんなの元気は?指の数で教えて!
[みんなの元気は?指の数で教えて!]
VR をエンジョイ中
[VR をエンジョイ中]
試作した宇宙船をレビューする
[試作した宇宙船をレビューする]
身体の柔軟性にチャレンジする遊び
[身体の柔軟性にチャレンジする遊び]
"使われなかったデザイン" の完成度に目を見張る
[“使われなかったデザイン” の完成度に目を見張る]

【活動報告】アカデミーキャンプ 2021夏 VR 第1期「キミが創る!月面社会」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている 英文のレポートを日本語に訳したものです。

キミの部屋が月になる
[キミの部屋が月になる]

アカデミーキャンプ 2021夏 VR 第1期「キミが創る!月面社会」は 2021年7月22日(木・祝)~24日(土)の 3日間で開催され、福島県と全国から 14名のこどもたちがこのオンラインキャンプに参加しました。

初日の午前、私たちは VR (virtual reality; 仮想現実) 空間にある “Academy Camp VR Moon” に行きました。そこが今回の冒険の舞台でした。2030年代の月を想定して、地表には「アポロ計画記念公園」があり、日本の探査機「かぐや」が発見した縦穴の奥には溶岩流の跡である広大な空間があって、そこに月面基地を建設することになります。午後は、キャンプに応募した際にみんなから聞いた「宇宙で生活する上での課題とその解決方法」を共有し、月面社会ではどのような施設が必要なのかを話し合いました。そして、舞台をマインクラフトに移し、月面基地の建物を試作しました。

2日目の午前は、マインクラフトから VR に持ち込んだ月面基地のプロトタイプを試してみました。想定通りにならない部分を把握し、試作を続けました。午後は、ブレイクアウトルームとオンラインホワイトボードを使って、「月にどんな社会を作りたいか」をテーマに、ワールドカフェ形式で対話を行いました。まず、人類が地球上で直面している問題を洗い出し、それらの問題が月面社会で解決できるかどうかを考えました。その間に、再び VR で私たちの月を訪れ、月での生活をイメージしてみました。ゼロから社会を作ることを考えると、現在、私たちが地球で抱えるさまざまな問題は、月であれば解決しやすいのではないかと思えました。今回のキャンプでの体験が、その感覚を地球での生活に持ち帰るための「お土産」になったら嬉しいですね。

3日目の午前は、マインクラフトで月面基地の建物の最後の仕上げを行いました。午後は、マインクラフトで作った建物をエクスポートして、オープンソースのソフトウェアを使って仮想世界に組み込む作業を、ゲームの実況中継のような形で体験しました。その後、全員で VR の月面に行き、お互いの説明を聞きながら、一緒に作った月面基地を楽しみました。

さあ、月は探検し尽くしたかな?よぉし、次は木星だ!

アカデミーキャンプ VR 2021.9「キミが探る!驚異の現代&近未来医療」も参加募集中です!

少しずつ、ご支援ください

世界の NPO のための国際クラウドファンディング GlobalGiving では、日本時間 9月13日(月) 13:00 から18日(土) 12:59 まで「Little by Little キャンペーン」を開催します。このキャンペーンでは、みなさまからの 50米ドルまでのご寄付に対して、期間中は 50% の上乗せが行われ、そのためのマッチング資金に制限はありません。ぜひこの機会に、福島のこどもたち、日本のこどもたちとアカデミーキャンプをご支援賜れれば幸いです。

GlobalGiving でのアカデミーキャンプのページ : https://www.globalgiving.org/projects/academy-camp/

月面社会のメンバーたちの自己紹介
[月面社会のメンバーたちの自己紹介]
地球上の課題の解き方を、新たに創る月面社会で解いてみることで考える
[地球上の課題の解き方を、新たに創る月面社会で解いてみることで考える]
メンバーたちが創った月面基地施設の説明を聞く
[メンバーたちが創った月面基地施設の説明を聞く]
メンバーたちが創った、月面の地下に広がる基地
[メンバーたちが創った、月面の地下に広がる基地]
月での集合写真。よぉし次は木星だ!
[月での集合写真。よぉし次は木星だ!]

【活動報告】アカデミーキャンプ VR – 未来へのテストフライト

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

バーチャル教室に集まった生徒たち
[バーチャル教室に集まった生徒たち]

2021年の 5月連休に開催した私たちの初めての VR(バーチャル・リアリティ)キャンプの成功を受けて、同じ月の 2回の週末に、私たちはさらなるお楽しみの機会を設けました。

第1回目の週末は、STAR HOUSE (VR 宇宙旅行社) のテストフライトに参加しました。宇宙科学者の阿部先生に 3回目のご登場をいただき、私たちの月についてのさらに詳しいお話を伺ったり、次世代の民間ロケットの打ち上げを見たり、そうしたロケットによじ登ったり(笑)、国際宇宙ステーションの周囲を浮遊したり、私たちが秘密基地を造ったりできる予定の月面に行ったりと、すべてを VR で行いました。阿部先生の豊富な宇宙の知識を、(アバターとなった) 自分の身体を使って体験しながら受け取るという、贅沢な時間を過ごしました。

2回目は、前回のキャンプ「惑星アカキャンの誕生」でこどもたちが 3D ペイントした VR 世界がほぼほぼ完成したので、そのプレビュー (内覧会) を行いました。小さな重力の下でジャンプしたり、個人用の推進装置を使って、誰もが自由に空間を移動できるようになりました。こどもたちだけでなく、保護者のみなさんや当キャンプのスタッフ、そして前回のキャンプで 3D ペイントの指導をしていただいた VR アーティストの KAHUA さんも招待しました。あまり素早くいろんな方向に飛んで乗り物酔いみたいになった人もいましたが、「めっちゃカッコイイ!」といった感想が飛び出しました。

これらの機会は、宇宙分野だけでなく、今後 VR を応用して実現するさまざまな新しいキャンプを開拓するための「テストフライト」のようなものでした。その鍵となるのは、こどもたち自身が自分たちの(諸)世界を創れるという感覚だと考えています。

静寂の丘で月にまつわる講義を聴く
[静寂の丘で月にまつわる講義を聴く]
月に向かって走れ!
[月に向かって走れ!]
変装して VR 空間に?!
[変装して VR 空間に?!]
こどもたちが 3Dペイントした空間の中で上を下への大騒ぎ
[こどもたちが 3Dペイントした空間の中で上を下への大騒ぎ]
自分たちがこの世界を創ったんだ
[自分たちがこの世界を創ったんだ]

写真提供 : ぴちきょ, トミー

【活動報告】アカデミーキャンプ VR 2021.5「惑星アカキャンの誕生」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

手元のメタバースに自分の居場所を創る
[手元のメタバースに自分の居場所を創る]

5月の連休に、私たちにとって初となる試みとして、VR (バーチャルリアリティ) を使った 5日間のオンラインキャンプ、アカデミーキャンプ VR 2021.5「惑星アカキャンの誕生」を実施しました。まだ目が発達段階にある小学生には VR ヘッドセットの使用はお勧めできないため、小学生向けにはマインクラフトでお気に入りの場所を作るプログラムを用意しました。中高生向けには、希望者に VR ヘッドセットを長期貸し出しして、自分の手 (に持ったコントローラー) で世界をかたちづくることをテーマに、キャンプをシリーズで行うことにしました。参加してくれたのは総勢 18名のこどもたちです。最初の 3日間は、ツールの使い方に慣れるための練習期間でした。

マインクラフトでは、こどもたちのためにふたつの世界 (レルム) を用意しました。プログラムの最後には博覧会を開催しましたが、こどもたちが短時間で作った建物の多さに驚かされました。どれもこだわりのある魅力的なものばかりで、家の中を見せてもらったときには、まるで不動産屋さんに内見してもらっているような気分になりました。アカデミーキャンプからのメッセージは、常に「世界の VISITOR ではなく、MAKER であれ」というものなので、このマインクラフトのプログラムに参加したこどもたち全員に、アーサー・C・クラークのこの言葉のように、ふたつの世界の管理者となる権限を与えました。「これらの世界はすべてあなたたちのものです。一緒に使ってください。平和に使ってください」

VRプログラムでは、昨年に引き続き、宇宙科学の研究者である阿部先生をお招きしました。地球の月についての講義の後、VRの「大学の教室」に移動して質疑応答を行い、宇宙にまつわるさまざまな世界を訪れて先生の説明を聞きました。最後に、火星の表面で記念撮影をしました。また、VR アーティストの KAHUA さんによる、アーサー・C・クラークの「幼年期の終り」の最後の部分の朗読に続いて、みんなで想像力を膨らませて、VR 空間で自由に 3D ペインティングをしました。続いて、即興アーティストのロクディムさんと一緒に、Zoomで、順番に一語ずつ話し、一人の語り手を演じる「ワンワード」に挑戦しました。そして VR では、参加者がグループに分かれて即興劇ライブに挑戦し、不思議でエキサイティングな世界が展開されました

最終日の終わりに、このキャンプの責任者はどこかからのメッセージを受け取りました。「この惑星はもうお終いです…。大人たちがこの星をダメにしてしまった。みんなで他の星に逃げよう!」そして、みんなでポータルに飛び込むと、何もない世界にたどり着きました。「ここは惑星アカキャン。ここから先は、みんなで創っていけるのです」それが、このキャンプの閉会式でした。みんなが一言ずつ感想を述べた後、別のポータルが現れました。みんなで飛び込むと、そこにはみんなで 3D ペイントした作品が VR の世界として再現されていました。こどもたちは、「VISITOR」ではなく「MAKER」になるという決意を胸に、さまざまな別々の世界に通じるポータルに次々とひとりずつ飛び込み、未知の世界へと旅立っていきました。

ボクセルワールドでのこどもたちの創造物のひとつ
[ボクセルワールドでのこどもたちの創造物のひとつ]
未知なる世界を探検する
[未知なる世界を探検する]
Zoom でも VR でも即興劇ワークショップを実施
[Zoom でも VR でも即興劇ワークショップを実施]
「幼年期の終り」にインスパイアされた 3D ペインティング
[「幼年期の終り」にインスパイアされた 3D ペインティング]
火星で記念撮影
[火星で記念撮影]

【活動報告】アカデミーキャンプ2020夏(だけじゃない)「アカキャン的!本気の自由研究」最終発表「アカキャン的!学会」

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

チェックアウト、でも研究は続きます
[チェックアウト、でも研究は続きます]

2020年12月末、夏、秋、冬と続いた「アカキャン的!本気の研究」の締めくくりとして、最終発表をオンラインで行いました。この様子は YouTube でもライブ配信されました。

今回の発表会は、若手研究者(こどもたち)と、この一連のイベントにスタッフとして参加した大学生をはじめとする大人たちが、研究を通じて交流できる「アカキャン的!学会」を目指したものです。

それを実現するために、会議の冒頭では、即興コメディの「ストーリーテラーズ」の仕組みを使って、それぞれの研究についてのセリフをちりばめながら、即興でおかしな物語を紡いでいきました。

大笑いした後は、研究発表の時間となりました。発表内容は、まちづくり、フロー体験、納豆の粘度、ジャガイモの毒性除去、英語学習、地質学、オオスズメバチの性別決定、重力で音楽を奏でる、キャッシュレスで変わる食生活、ゲーム作り、ディメトロドンの食生活、脳波でアバターを制御する、デジタルIDカードで未来のお店で年齢だけ開示してお酒を買う方法(選択的開示)などでした。こどもたちはもちろん、大学生や、大人のスタッフによる発表もありました。

長らく続けてきた「本気の自由研究」も、これでひと区切り。でも、まだまだ研究は続きます。だって終わってないし!

少しずつ助けてください

日本時間 2021年3月8日(月) 14:00 〜13日(土) 13:59、国際クラウドファンディング GlobalGiving の Little by Little キャンペーンを通して福島のこどもたちとアカデミーキャンプをぜひご支援ください。この期間に GlobalGiving を通してアカデミーキャンプに 50ドルまでのご寄付をいただくと、みなさまからのご寄付に 50% が上乗せされて私たちに届きます。少しずつ、多くの人々にアカデミーキャンプを知ってもらい、関わってもらうために、みなさまのご協力をどうかよろしくお願いいたします。

GlobalGiving でのアカデミーキャンプのページ
https://www.globalgiving.org/projects/academy-camp/

録画によるプレゼンテーションも
[録画によるプレゼンテーションも]
フロー体験について調べた内容を発表
[フロー体験について調べた内容を発表]
専門誌に原稿が載るにいたりました
[専門誌に原稿が載るにいたりました]
オオスズメバチの性別決定について調べました
[オオスズメバチの性別決定について調べました]

【活動報告】アカデミーキャンプ2020夏(だけじゃない)「アカキャン的!本気の自由研究」中間報告 2

このレポートは、GlobalGiving にてご寄付をいただいた方々にお送りしている英文のレポートを日本語に訳したものです。

昨年 (2019) の Maker Faire Tokyo から
[昨年 (2019) の Maker Faire Tokyo から]

前回のレポートでもご説明しましたが、COVID-19 パンデミック対策として、アカキャンでは春に続き、夏-秋- (そして今や) 冬のキャンプ活動をオンライン化しています。この夏からの一連の活動を「アカキャン的!本気の自由研究」と名付け、全体の毎週ないし隔週のオンラインミーティングと、オンラインチャットツールを使った対話・研究相談を続けています。

このレポートではもう一度、10歳から18歳までの若き研究者たちの進行中の活動について中間報告をします。昨年までは、Maker たちの祭典「Maker Faire Tokyo」に私たちは東京で参加していたのですが、今年はオンラインでこの素晴らしいイベントに参加し、Twitter で一緒に展示を観て楽しみました。自分たち自身も Maker である若き研究者の 1人は、古生物のディメトロドンがサメを食べるゲームを作っていますし、別の研究者は 3D空間の中の自分のアバターを脳波で動かそうとしています。さらに別の研究者はブロックチェーン上で寄付金を扱うビジネスモデルを分類して、最高の持続可能なプランを得ようとしています。その他の活動としては、ポテトの毒をなくすための研究、持続可能な街づくりのプラニング、第二言語の習得に最適な方法の探索、スズメバチの遺伝子や行動の研究、物々交換の仕組みづくり、フロー体験の実践的な知識の習得などがあります。

12月には発表会を予定していますが、これらの若い研究者たちと、この一連のイベントのスタッフとして関わっている大学生をはじめとする大人たちが、互いの研究を通じた交流ができる「アカキャン的!学会」を目指しています。これが創発的な機会になったらよいなと期待しています。研究はそもそも、個人ではなくコミュニティの営みだからです。

#GivingTuesday で私たちを助けてください

ぜひ、日本時間 2020年12月1日(火) 14:00 ~ 12月2日(水) 13:59 に GlobalGiving を通して私たちにご寄付をください!GlobalGiving はこの期間中の最終的な寄付総額に応じて、アカデミーキャンプを含む参加プロジェクトに合計 100万ドルのインセンティブファンドを比例配分します。ご寄付に上乗せされた額が私たちの活動に届き、みなさまのご寄付がより大きなインパクトを持ちます。この素晴らしい機会にぜひ、このコミュニティ、福島のこどもたち、そして全国のこどもたちとアカデミーキャンプを応援していただけたら幸いです。

私たちは、自分のパソコンを持っていないこどもたちがオンラインの活動に参加しやすいように、Chromebook を配布しており、より多くのこどもたちにとっての環境を整備するためにより多くの資金を必要としています。また、物理的なキャンプも徐々に再開していきたいと考えており、そのための資金も必要としています。ぜひよろしくお願いいたします。

若い研究者がミーティングに参加しています
[若い研究者がミーティングに参加しています]
フロー体験について、ストリートピアノを通して熟考します
[フロー体験について、ストリートピアノを通して熟考します]
研究は、そもそも個人ではなくコミュニティの営みです
[研究は、そもそも個人ではなくコミュニティの営みです]